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第2570日目 〈2017年1-3月に読んだ小説(殆どが推理小説なのだ!)。〉1/2 [日々の思い・独り言]

 これからお読みいただく小文は、今年2017年の3月18日に第一稿が書かれた。いま頃になってお披露目する理由については、最後(2/2)までお読みいただいた上で、そうして来週の更新を併せてご覧いただけば自ずと明らかになろう。
 申し添えれば、書かれた場所は神田淡路町のスターバックスである。そこは『ラブライブ!』の主人公、高坂穂乃果の実家のモデルとなった老舗甘味処に程近い店舗でもあるのだが、けっして聖地巡礼の途中で、或いは終えたあとに立ち寄って書かれたものでないことをご承知おきいただきたい。なお件の甘味処は池波正太郎のエッセイにも何度となく登場する店でもある。
 さて、本稿はちょっと長いので分割することにした。今日と明日、2日続けてのお披露目となるが、ゴールデンウィーク特別企画というわけではない。そんな考えはまったく持っていない。
 ならば、どうして? んんん──「なんとなく」、「そんな気分だから」、というのがいちばん正解に近いかな。呵々。
 では、始めよう。アゴーンを。

 今年読んだ本について、書く。「について」というても当たり障りのないコメントの域を出るものではないこと、賢明なる読者諸兄ならば先刻ご承知のことであろう。
 いや、それにしても時間の過ぎるのは早い。なんだか正月気分の抜けないまま気附いたら年度末を迎えていた、そんな感慨である。
 私事で恥ずかしいけれど、年が改まってからの1.5ヶ月、異動先がまったく見附からず退職を視野に入れざるを得ない、のっぴきならぬ状況に追いこまれていた頃にようやく新天地を得られて安堵し、片道約1.5時間弱の通勤と雖もそれなりに忙しく、やり甲斐と達成感と充実感で満たされる仕事ができている。感謝の一言。そうしていまは、転属から1.5ヶ月を経て繁忙期に突入、いまはひたすら一所懸命仕事を覚え、朝から晩までひたすらパソコンに向かって作業して、がっつり残業代を稼いでいるのである。
 正直なところ、通勤時間の長さも相俟ってなかなか文章を書くための時間を割けず、またそのための場所を見附けることもできないのが悩みの種だけれど、これに関しては繁忙期が終わって心身共に余裕が生じるまで解決策を見出すことはできなさそう。へとへとになって帰宅したらあと少しで日付が変わる、という時間だもの。
 小説『ザ・ライジング』を書いていた頃も現在とほぼ同じエリアで働いていたが、時間の制約は当時の方が厳しかったにもかかわらず(開店前から閉店後まで、約14時間ぐらいは労働していたなぁ。当然サービス残業である)、ずっと上手に時間をやり繰りして執筆に耽っていた覚えがある。やはり仕事が終わったらさっさと、寄り道しないで帰宅して、早くに就寝して朝型に切り替えるのが<たった一つの冴えたやり方>なのかしらん。
 さて、マクラはここまで。今年になって読んだ本(専ら小説)のお話である。だいじょうぶ、忘れていない。
 読書好きなお嬢さんとのLINEのログを遡ることで、いつ、誰の、なんという本を読んでいたかは判明する。またそこに記録された本を発掘して扉ページを開けば読了日も書いてあるので、おおよそについては読んだ順番も特定できる。そも2017年が始まってまだ3ヶ月である。順番はともかくなにを読んだかは概ね記憶しておるし、書架を検めればLINEに頼らずともその点は明らかとなる。幸いなことにそこまでわが記憶力は減退していないのだ。サンキー・サイ。
 では、始めよう。アゴーンを。
 2017年になって最初に読んだのは、斎木香津『凍花』(双葉文庫)であった。これは中居正広がラジオで紹介していたのを聞いて意識の片隅に引っ掛かっていたのを数日後、本屋で見掛けて立ち読みしてみたところ、最後まで読んでみたくなったのでレジへ運んだもの。
 読み進むにつれて気持ちのすれ違う姉妹の哀しさに心がざわついて、いたたまれない気持ちに陥ったことである。なんだかね、兄弟間にある理解不足、意思疎通の不全など、いろいろ考えさせられてさ……。本人以外の誰も相手の真情或いは心情を汲むことのできないやりきれなさに、打ちのめされるしかなかったのである。加害者として逮捕されて黙秘を貫く長女の傍に、凶行以前からいられてあげたなら……という中居の発言が読了後の自分の心に染みこんできて、深く首肯してしまうたね。
 事の序に申せば、本書同様に中居がメディアで紹介して気になり、後日購入したものに歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)があるが、まだ1ページも読めていない。後述する<綾辻祭り>が一段落したあとでないと、通勤の読書のお伴にすることはできないのだ。
 『凍花』に続いて手にしたのは、映画が来月4月1日公開予定な、一方で作品それ自体よりも別の一件で話題になっている気がしないでもない、秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)だった。独立した感想文を書いて既に本ブログにてお披露目済みなので、検めての発言は控える。繰り返しを恐れず敢えて述べることがあるとすれば、最後の章に於ける戦慄とおぞましさと気持ち悪さは他に類を求められること極めて稀にして、読後2ヶ月を経過しようとしている今日なおその思いにまるで変化のないことの一点だけだ。記憶に残る、イヤミスの極北というてよいだろう。
 この人の他の小説も読んでみたい。読後感が良ければそんな気持ちが起きるのは至極当たり前な流れだろう。斯くしてデビュー作を含む短編集『雪の花』(小学館文庫)を手にしたのだが……映像化もされたという表題作(これがデビュー作である)は廃村となった雪に閉ざされる故郷で自殺しようと決めた夫婦の物語で、いつわが身に降りかかるか知れぬシチュエーションなだけに、必要以上に感情移入して読み耽った。夫婦を取り巻く環境への憤りと決断を余儀なくされたかれらへの共感が、わたくしをしてこの短編への思い入れをより深くしたのだ。最後の最後に希望の兆しが見えたところで幕となるのが、殊に印象的であった。が、「雪の花」を除く他の3編は……読むのをやめよう、と思うたのは二度や三度のことではない。この段落の〆に但し書きを付けるなら、『雪の花』はミステリ小説集ではない、ということか。□(第2571日目に続く)

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