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第0342日目 〈サムエル記下第24章:〈ダビデの人口調査〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第24章、最終日です。━━ウッドハウスに倣って、「ヨホホーイ!」

 サム下24:1-25〈ダビデの人口調査〉
 主の怒りが再びダビデを、イスラエルを襲った。

 主はダビデに命じた、イスラエルとユダの人口調査をせよ、と(サタンがダビデをそそのかした、という解釈あり)。
 主は将軍ヨアブに、ダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの人口調査を命じた。当初ヨアブは消極的であったが、王の命令は厳しく揺らぐことがなかった。ヨアブは軍の長たちと共に9ヶ月と20日を費やして全土をめぐり、調べあげた。兵役に就けるものはイスラエルに800,000人、ユダに500,000人いた。
 人口調査を実施したことをダビデは悔やんだ(※)。彼は主に許しを乞うた。翌朝、ダビデの預言者にして先見者ガドが、我が身に臨んだ主の言葉を伝えた。曰く、━━
 「わたしはあなたに3つの事を示す。その一つを選ぶがよい。わたしはそれを実行する。」(サム下24:12)
 即ち、
 1,飢饉が7年間に渡って国を襲うか、
 2,王が3ヶ月敵に追われて逃げるか、
 3,疫病が3日の間、国内で広まるか、
 ダビデ王は、主の御手にかかって倒れることを望み、疫病の蔓延を選んだ。その朝からイスラエル全土に疫病が広まり、70,000人の民が倒れた。
 主の御使いはエルサレムへ手を伸ばそうとしていたが、主の慈悲により中止された、━━「(主の)御使いはその手をエルサレムへ伸ばして、これを滅ぼそうとしたが、主はこの災いを思い返され、民を滅ぼそうとする御使いに言われた。『もう十分だ。その手を下ろせ。』(そのとき)主の御使いはエブス人アラウナの麦打ち場の傍らにいた。」(サム下24:16)
 民が御使いに打たれて倒れてゆくのを見て、ダビデは自分と自分の家に御手がくだるよう頼んだ。が、ガドの言葉に従い、件のエブス人アラウナの麦打ち場(と焼き尽くす献げ物)を銀50シェケルで買い取り、そこに主のための祭壇を築いた。その祭壇で、焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。
 「主はこの国のために祈りにこたえられ、イスラエルに下った疫病はやんだ。」(サム下24:25)

 ※をつけた箇所について。
 ダビデは人口調査の実施を悔やみました。民を戦に駆り立てる遠因となり、常設軍設置につながる行為だったから。
 が、サタンが主を語ってダビデをそそのかしたなら、悔やむ理由も容易に理解できるというものです。その後、主がダビデ(とイスラエル)に3つの選択肢を与えていずれかを選べと迫ったのも、納得です。
 踏まえていえば、「主の怒りが再びダビデ/イスラエルに下った」とはそんな背景ゆえといえそうです。



 『LOST』シーズン5はただいま怒濤の大展開中! ジェイムズ・ラフルア! 再会!
 『CSI:マイアミ』と『CSI:NY』も今週各シーズンの最終話が放送済み。でも、来月から早くも再放送決定の由。


 新海誠『秒速5センチメートル』を観ました。想いは如何にして変質し、離れ消滅するか、を描いた連作短編アニメです。
 胸が抉られるような第3話、いじましさに眼(まなこ)を濡らす第1話、切なさに胸が張り裂けそうな第2話、と、どれも、身に覚えある経験に誰もが身悶えするはずのエピソード。『ほしのこえ』とはまた違ったセンチメンタリズムに包まれた良作です。
 個人的にはやっぱり第3話にやられました。や、やばすぎる、この感じ……。悠久の希望を挫けさせるような━━。でも、わたくしは運命に逆らって、希望とやすらぎを摑んで生きるのだ。
 レンタルショップで借りてでも、観てみてくださいっ!!◆

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第0341日目 〈サムエル記下第23章:〈ダビデの最後の言葉〉&〈ダビデの勇士たち〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第23章です。

 サム下23:1-7〈ダビデの最後の言葉〉
 王ダビデは語った、最後の言葉を。
 ダビデ王は歌った、イスラエルの麗しい歌を。

 「神と共にあってわたしの家は確かに立つ。
  神は永遠の契約をわたしに賜る
  すべてに整い、守られるべき契約を。
  わたしの救い、わたしの喜びを
  すべて民は芽生えさせてくださる。

  悪人は茨のようにすべて刈り取られる。
  手に取ろうとするな
  触れる者は槍の鉄と木を満身に受ける。
  火がその場で彼らを焼き尽くすであろう。」(サム下23:5-7)


 サム下23:8-39〈ダビデの勇士たち〉
 ダビデ王麾下の勇士は総勢37人。
 まず“三勇士”がいた。
 01,イシュバアル:ハクモニ人。三勇士の頭。槍の一突きで800人を刺し殺した。
 02,エルアザル:アホア人ドドの子。
 03,シャンマ:ハラリ人アゲの子。

 次に30人の勇士がいる。
 01,アビシャイ:ツェルヤの子、ヨアブの兄弟。最も重んじられた、30人の長。
 02,ベナヤ:ヨヤダの子、カブツェエルの出身。勇士の子。護衛兵の長。
 03,アサエル:ヨアブの兄弟。※サム下2:23にてアブネルにより殺される。
 04,エルナハン:ドドの子、ベツレヘム出身。
 05,シャンマ:ハロド人。
 06,エリカ:ハロド人。
 07,ヘレツ:パルティ人
 08,イラ:イケシュの子、テコア人。
 09,アビアゼル:アナトト人。
 10,メブナイ:フシャ人。
 11,ツァルモン:アホア人。
 12,マフライ:ネトファ人。
 13,ヘレブ:バアナの子、ネトファ人。
 14,イタイ:リバイの子、ベニヤミンのギブア出身。
 15,ベナヤ:ピルアトン人。
 16,ヒダイ:エフライム地方(?)ガアシュ川(谷?)の出身。
 17,アビ・アルボン:アルバト人。
 18,アズマベト:バフリム人
 19,エルヤフバ:シャアルモン人。
 20,ベネヤシェン。
 21,ヨナタン。
 22,シャンマ:ハラリ人 ? 「ハラリ人シャンマ(の子)ヨナタン」とする意見もある由(岩波Ⅴ『サムエル記』P286脚注)。
 23,アヒアム:シャラルの子、アラル人。
 24,エリフェレト:アハスバイの子、マアカ人の子孫。
 25,エリアム:アヒトフェルの子、ギロ人。
 26,ヘツライ:カルメル人。
 27,パアライ:アラブ人。
 28,イグアル:ナタンの子、ツォバ出身。
 29,バニ:ガティ人。
 30,ツェレク:アンモン人。
 31,ナフライ:ベエロト人、ツェルヤの子ヨアブの武具を持つ者。
 32,イラ:イエテル人。
 33,ガレブ:イエテル人。
 34,ウリヤ:ヘト人。※サム下11:17にてダビデ王の策略により戦死。妻は後に王に身を寄せソロモンを生んだバト・シェバ。
 ━━以上が30人の勇士に名を連ねた者たちである。
 ボールドウィン曰く、〈30人〉とは「称号に近いものであったろう」由(『サムエル記』P325下 いのちのことば社)。 


 無味乾燥な記述が続く回ですが、そこはひとまず辛抱してお読みいただければ幸甚と存じます。
 なお今回は省いた三勇士の武勲と、アビシャイとベナヤの武勲は、後日、サム下全了後に補遺として掲載します。ご了承ください。



 東京湾エンターテインメントクルーズに乗船してきました。おぐゆーさん一緒だったらいいのにな、とちょい考える。
 なにはともあれ、久々の海。━━エネルギー充填完了。また明日からがんばるのだ。
 やっぱり、海はいいな。潮風の匂いはいいな。千変万化する水面の移ろいや水平線、向こう岸に思いを巡らせるだけで胸がわくわくし、心が落ち着いたりする。
 海のそばで暮らしたい。
 P.S 船内でのマグロの解体ショーに若干の波乱有りと雖も、脂の乗ったマグロはうまかった!◆

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第0340日目 〈サムエル記下第22章:〈ダビデの感謝の歌〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第22章です。

 サム下22:1-51〈ダビデの感謝の歌〉
 神、主によってすべての敵、そしてサウルの手からダビデを救ってくれた日、ダビデ王は主に感謝の歌を捧げたのである。
 以下、全文。たまには詩歌を丸ごと味わうのも良いでしょう。

02:主はわたしの岩、砦、逃れ場
03:わたしの神、大岩、避けどころ
 わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え
 不法から救ってくださる方。
04:ほ(誉)むべき方、主をわたしは呼び求め
 敵から救われる。

05:死の波がわたしを囲み
 奈落の激流がわたしをおののかせ
06:陰府の縄がめぐり
 死の網が仕掛けられている。
07:苦難の中から主を呼び求め
 わたしの神を呼び求めると
 その声は神殿に響き
 叫びは御耳に届く。

08:主の怒りに地は揺れ動き
 天の基(もとい)は震え、揺らぐ。
09:御怒りに煙は噴き上がり
 御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。
10:主は天を傾けて降り
 密雲を足もとに従え
11:ケルビムを駆って飛び
 風の翼に乗って現れる。
12:周りに闇を置き
 暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。
13:御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。
14:主は天から雷鳴をとどろかせ
 いと高き神は御声をあげられる。
15:主の矢は飛び交い
 稲妻は散乱する。
16:主の叱咤に海の底は姿を現し
 主の怒りの息に世界はその基を示す。

17:主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ
 大水の中から引き上げてくださる。
18:敵は力があり
 わたしを憎む者は勝ち誇っているが
 なお、主はわたしを救い出される
19:彼らが攻め寄せる災いの日
 主はわたしの支えとなり
20:わたしを広い所に導き出し、助けとなり
 喜び迎えてくださる。

21:主はわたしの正しさに報いてくださる。
 わたしの手の清さに応じて返してくださる。
22:わたしは主の道を守り
 わたしの神に背かない。
23:わたしは主の裁きをすべて前に置き
 主の掟を遠ざけない。
24:わたしは主に対して無垢であろうとし
 罪から身を守る。
25:主はわたしの正しさに応じて返してくださる。
 御目の前にわたしは清い。

26:あなたの慈しみに生きる人に
   あなたは慈しみを示し
 無垢な人には無垢に
27:清い人には清くふるまい
 心の曲がった者には策略を用いられる。
28:あなたは貧しい民を救い上げ
 御目は驕る者を引き下ろされる。
29:主よ、あなたはわたしのともし火
 主はわたしの闇を照らしてくださる。
30:あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし
 わたしの神によって、城壁を越える。
31:神の道は完全
 主の仰せは火で練り清められている。
 すべて御もとに身を寄せる人に
   主は盾となってくださる。

32:主のほかに神はない。
 神のほかに我らの岩はない。
33:神はわたしの力ある砦
 わたしの道を完全にし
34:わたしの足を鹿のように速くし
 高い所に立たせ
35:手に戦いの技を教え
 腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。

36:あなたは救いの盾をわたしに授け
 自ら降り、わたしを強い者としてくださる。
37:わたしの足は大きく踏み出し
 くるぶしはよろめくことがない。
38:敵を追い、敵を絶やし
 滅ぼすまで引き返さず
39:彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。
 彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
40:あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ
 刃向かう者を屈服させ
41:敵の首筋を踏ませてくださる。
 わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
42:彼らは見回すが、助ける者は現れず
 主に向かって叫んでも答えはない。
43:わたしは彼らを地の塵のように砕き
 野の土くれのように踏みにじる。
44:あなたはわたしを民の争いから解き放ち
 国々の頭としてくださる。
 わたしの知らぬ民もわたしに仕え
45:わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い
 敵の民は憐れみを乞う。
46:敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。

47:主は命の神。
 わたしの岩をたたえよ。
 わたしの救いの岩なる神をあがめよ。
48:わたしのために報復してくださる神よ
 諸国の民をわたしの下においてください。
49:敵からわたしを救い
 刃向かう者よりも高く上げ
 不法の者から助け出してください。
50:主よ、国々の中で
   わたしはあなたに感謝をささげ
 御名をほめ歌う。
51:勝利を与えて王を大いなる者とし
 油注がれた人を、ダビデとその子孫を
 とこしえまで
   慈しみのうちにおかれる。
(以上)

 これはサムエル記全体の頂点であり、集大成である。いわば大コーダがここで築きあげられたのであった。
 殊にさんさんかがエッセンスとして抽出したいのは、サム下22:21-25,44-46,50-51。個人的な好みをいえば、サム下22:5-16かな。実に想像力を刺激されます。

 再び引く、━━
 「主よ、国々のなかで
   わたしはあなたに感謝をささげ、
  御名をほめ歌う。
  勝利を与えて王を大いなる者とし、
  油注がれた人を、ダビデとその子孫を
  とこしえまで
   慈しみのうちにおかれる。」(サム下22:50-51)



 薄暗い奈落の底から上を仰ぎ見ている、
 指先から血を流して這いあがる。
 希望を挫くいちばんの敵と戦いながら、
 上を目指して這いあがる努力を諦めない。
 傷だらけになったこの手のなかにいつの日か必ず、
 夢と希望を摑み取ることができると信じている。
 希望と愛を諦めない。◆

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第0339日目 〈サムエル記下第21章:〈飢饉とサウルの子孫〉&〈対ペリシテ戦における武勲〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第21章です。

 サム下21:1-14〈飢饉とサウルの子孫〉
 ダビデ王の御代、飢饉が3年続いた。王は主に託宣を求めた。主はかつてサウルがギブオン人を殺害し、大地に血を流したのが原因である、と告げた。旧約本文にはこうある、━━
 「ギブオン人はアモリ人の生き残りで、イスラエルに属する者ではないが、イスラエルの人々とは誓約を交わしていた。ところがサウルは、イスラエルとユダの人々への熱情のあまり、ギブオン人を討とうとしたことがあった。」(サム下21:2)
 確かにイスラエルとギブオンは誓約を交わした、これはヨシュ9:15-21(〈ギブオンの服従〉)にある。が、サウル王がギブオンを討とうとしたなる記述はどこにもない。歴史の陰に埋もれた事実だったのかもしれない。
 さて。ダビデ王はギブオン人を招いて訊ねた、どのように償えば主の嗣業を祝福してもらえるだろうか、と。
 ギブオン人は答えた。「わたしたちを滅ぼし尽くし、わたしたちがイスラエルの領土のどこにも定着できないように滅亡を謀った男、あの男の子孫の中から七人をわたしたちに渡してください。わたしたちは主がお選びになった者サウルの町ギブアで、主の御前に彼らをさらし者にします。」(サム下21:5-7)
 王はそれに同意した。サウルの子孫のなかからギブオン人に引き渡されたのは、次の7人である、━━
 ・サウル王とその側女リツパ(アヤの娘)の間に生まれた、①アルモニと②メフィボシェト(ヨナタンの息子とは別人)
 ・サウルの娘ミカルとメホラ人バルジライ(サム下17,19のバルジライとは別人)の③5人の息子
 「王はサウルの子ヨナタンの息子メフィボシェトを惜しんだ。ダビデとサウルの子ヨナタンとの間には主をさして立てた誓いがあったからである。」(サム下21:7) ゆえにダビデはこのメフィボシェトを、ギブオンに引き渡さなかった。
 ━━サウルの子孫7人は一度に処刑された。リツパは遺骸の上に粗布を掛け、昼は空の鳥から、夜は野の獣からそれを守った。その様子はダビデ王に報告された。
 王はギレアドのヤベシュの町へ赴き、その地に埋葬されていたサウルとヨナタンの遺骨を、町の人々から受け取った。それは、ギブアにて処刑された7人の遺骨と共に、ベニヤミンの地ツェラにあるサウルの父キシュの墓に改めて埋葬された。ここに、サウル一族の者が一つ所に収まった。
 「人々は王の命令をすべて果たした。この後、神はこの国の祈りに答えられた。」(サム下21:14)

 サム下21:15-22〈対ペリシテ戦における武勲〉
 ペリシテ人とイスラエルの間に、何度目かの戦いが起こった。ダビデ王も出陣したが、疲労していた。家臣らは王に、イスラエルの灯を消さぬためにも、もう戦場には出ない、と誓わせた。
 ラファ━━カナン先住民で、創15:20や申2:21に登場した巨人レファイム人の始祖(岩波『サムエル記』P272脚注より)━━の子孫イシェビ・ベノブは、ダビデ王と将軍アビシャイによって倒された。
 ラファの子孫の一人サフは、フシャ人シベカイによって打ち殺された。
 ガト人ゴリアトは、ベツレヘム出身のヤアレ・オルギムの子エルナハンによって打ち殺された(ダビデの武勲を否定する記述であるのに注意。ex:サム上17)。
 ラファの子孫で両手足の指が6本ずつある巨人は、ダビデの兄弟シムアの子ヨナタンによって討ち取られた。



 ロートルなのか、小説やオーディオ・ドラマの第一稿は自筆でノートに書いていった方がしっくり来ます。
 全体が見通せることとリズムが人工的にならないことが、最強の利点。シャープペン走らせる方がよっぽど早いし、流れが途切れない。変換の必要もない。
 デメリットはただ一つ、第二稿の作成(ノート→PC) が面倒臭い。それだけ。
 樹海が舞台の長編は現在ノートで約35頁まで進み、400字詰め原稿用紙に換算したら……100枚は突破している計算か。ふむ。それでも全体の1/10程度。新しいことを試みたりしているから、第一稿の完成は……2年後かなぁ。
 第二稿作成時のお手伝いさんを募集しております。詳細は携帯かPCのメールにてッ!!◆

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第0338日目 〈サムエル記下第19章3/3:〈イスラエルとユダ〉、第20章:〈シェバの反逆〉&〈ダビデの重臣たち〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第19章3/3と第20章です。

 サム下19:41-44〈イスラエルとユダ〉
 渡河したダビデ王はギルガルまで進んだ。ユダの全兵士とイスラエルの兵士の半分がそれに従っていた。
 イスラエルの人々は王に訊ねた、なぜユダにヨルダン渡河を手伝わせたのですか、と。
 王に代わってユダの人々が答えた、王は我らの近親だから、と。なんだ、ユダが賄賂を受け取っているとでもいいたいのか、と。
 イスラエルの人々はユダにいい返した、なぜ我らをないがしろにするのか、と。ダビデ王を呼び戻そうと提案したのは我らではないか、と。
 「しかし、ユダの人々の言葉はイスラエルの人々の言葉よりも激しかった。」(サム下19:44)

 サム下20:1-22〈シェバの反逆〉
 イスラエルとユダが言い争う場に居合わせたのは、エフライム山地出身のベニヤミン人ビクリの息子シェバというならず者であった。
 シェバは角笛を吹き鳴らしてイスラエル兵を煽動した。曰く、━━
 「我々にはダビデと分け合うものはない。
  エッサイの子と共にする嗣業はない。
  イスラエルよ、自分の天幕に帰れ。」(サム下20:1)
 イスラエルはダビデから離れ、シェバに従って自分の家に帰った。これがシェバの反逆である。
 ダビデ王はエルサレムへ帰還した。まず王宮を守っていた10人の側女を残らず、生涯幽閉した。
 王は、かつてはアブサロム軍の指揮官で現在はヨアブに代わって将軍の一人に取り立てている甥のアマサ(ex:サム下19:14)に命じた、3日以内にユダの兵を動員してここへ戻れ、と。が、アマサは戻ってこなかった。
 そこでアビシャイを呼んで、命じた。アブサロム以上に危険な敵シェバを追跡せよ、と。アビシャイは出発した、ヨアブの兵、クレタ人、ペレティ人、そしてすべての勇士を従えて。
 シェバ追跡の途上、ギブオンの大石で彼らはアマサに会った。アマサはヨアブの剣にかかって死んだ。はらわたが地面に流れ落ちた。追跡は続けられたが、後続の兵は道の真ん中にアマサの死体があるので、それが退かされ、血痕の跡が布で覆い隠されるまで立ち往生してしまった。
 さて、シェバはベト・マアカのアベルに逃れていた。ヨアブと彼に従う兵がアベルを取り囲んだ。一人の知恵ある女がヨアブを呼び、事情を知るや町の者にシェバを探させ、首を切り落とさせた。シェバの首は城門の上から投げ落とされた。
 ヨアブは角笛を吹き鳴らし、アベルをあとにしてエルサレムへ帰った。

 サム下20:23-26〈ダビデの重臣たち〉
 ヨアブ:イスラエル全軍の司令官
 ベナヤ(ヨヤダの子):クレタ人とペレティ人の監督官
 アドラム:労役の監督官
 ヨシャファト(アヒルドの子):補佐官
 シェワ:書記官
 ツァドク:祭司
 アビアタル:祭司
 イラ(ヤイル人):ダビデの祭司

 昨日敢えて取り残したイスラエルとユダの軋轢は、ヨルダン渡河と王のエルサレム帰還にまつわるものでした。
 ならず者シェバはイスラエルを煽動して、ダビデ王に新たな火種と危惧させました。これまで後手に回ること多かったダビデでしたが、今回は危険は目の内に摘むとばかりにシェバを追跡しました。その顛末がここで語られます。
 久々に血の匂いと死臭がぷんぷん漂う場面が登場したかに感じるのは、気のせいでしょうか。
 サム下8:15-18でも〈ダビデの重臣たちの名前〉としてヨアブ以下の名前と役職が列挙されていました。これはアブサロム反逆前のもの。当時といまを較べてみると面白いかもしれません。



 なんだかしゃっきりしない週末の今日。曇天の空。濁った空気。
 三田会もキャンセルし、両の手首と足首に鉛の玉をくくりつけられて、それこそ仄暗い井戸の底に幽閉されているような気分。
 そんななかでチェリのブルックナーとドラティのバルトークを聴き倒し、樹海を舞台にした例の小説を書き続けている。
 で、コーヒー飲んで、ほーっ、としながらその合間に思うわけですよ、おぐゆーさんどうしているかなぁ、と。今頃恋人とデートかしら、とか(いや、知らんけれど。そうでないといいけれど。誰もいなかったら[おいら的には]ハッピーだけれど)。ああ、それでも好きなんだぁ。◆

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第0337日目 〈サムエル記下第19章2/3:〈ヨアブ、ダビデを非難する〉、〈エルサレムへの帰還〉他〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第19章2/3です。

 サム下19:2-9〈ヨアブ、ダビデを非難する〉
 自軍の勝利をダビデ王は喜べず、敵将アブサロムの死を嘆くばかりだった。戦勝にうしろめたさを感じながら、ダビデの勇兵たちはエルサレムへ入った。「すべての兵士にとって、その日の勝利は喪に変わった。」(サム下19:3)
 これに憤然としたヨアブは王を責めた。王は自分を愛する者を憎み、自分を憎む者を愛するのか、と。「アブサロムが生きていて、我々全員が死んでいたら、あなたの目に正しいと映ったのでしょう。」(サム下19:7)
 続けていった、勝って帰還した兵、家臣たちへ語りかけてほしい、と。主に誓って言いますが、とヨアブはいった、━━
 「それがあなたにとって、若いときから今に至るまでに受けたどのような災いにもまして大きな災いとなるでしょう。」(サム下19:8)
 これを聞いてダビデ王は城門に出た。家臣たちは城門の前に集まってきた。

 サム下19:9-15〈エルサレムへの帰還〉
 敗れたイスラエル諸部族の長老たちは、今後について合議した。我々が油を注いで王としたアブサロムは死んだ、ダビデ王は荒れ野を彷徨っておられる、ゆえに王にエルサレム帰還を請うべきではないのか、と。
 その声はダビデ王の耳に届いた。祭司ツァドクとアビアタル経由で、ダビデはヨルダン川西岸のイスラエル諸部族にいった。王を連れ戻すのになぜ遅れを取るのか、と。
 ダビデの言葉はユダの人々の心を一つにした。そこでユダの人々は使いを出して、王へ嘆願した。家臣全員を連れてご帰還ください、と。

 サム下19:16-21〈ヨルダン川を渡る〉
 王は帰還の途に就いた。ヨルダン川のほとりまで来た。ユダの人々がギルガルまでやってきた。渡河を助けるためである。
 そのなかに、あのバフリム出身のベニヤミン人、サウル一族の出であるゲラの子シムイの姿もあった(ex:サム下16:5-14)。彼はベニヤミン人の内1,000人を連れてきていた。王が渡河しようとしたとき、シムイは王の前にひれ伏していった、━━
 「主君、王がエルサレムを出られた日にこの僕の犯した罪をお忘れください。心にお留めになりませんように。わたしは自分の犯した罪をよく存じています。」(サム下19:20-21)
 ダビデ軍の将軍の一人、アビシャイの言葉を退けて、王はシムイを赦した。
 また、サウルの孫で足の不自由なメフィボシェトも、王を出迎えるためにやってきた。王はメフィボシェトに訊ねた、なぜ一緒に来なかったのか、と。メフィボシェトは答えた、あの僕(ツィバ。ex:サム下16:3)に欺かれたのです、と。
 そうしてから、しかし、と続けた、━━
 「王の目に良いと映ることをなさってください。父の家の者は皆、主君、王にとって死に値する者ばかり」(サム下19:28-29)だから、と。
 王はメフィボシェトを許した。

 サム下19:32-40〈王とバルジライ〉
 バルジライはサム下17:27に登場、エルサレムを脱出してマナハイムへ到着したダビデ王一行に食糧や飲み物を提供した、ロゲリム出身のギレアド人である。
 バルジライは高齢で既に80歳になっていた。共に来てほしい、という王の招請を、彼は高齢を理由に断った。バルジライはいった、━━
 「どうか僕が帰って行くのをお許しください。父や母の墓のあるわたしの町で死にたいのです。」(サム下19:38)
 自分の代わりにバルジライはキムハムを王に同道させた。
 キムハムを新たに含めた一行がヨルダン川を渡り、ダビデ王もヨルダン川を渡った。
 「王はバルジライに口づけして彼を祝福した。バルジライは自分の町に帰って行った。」(サム下19:40)

 ダビデ王の帰還を合議したのがイスラエルで、ダビデ王に帰還を嘆願したのがユダであることに、若干の注意を払ってください。サム下19の残りと次章にてこの件にまつわる悶着が語られます。が、それはむろん、明日のお話と致しましょう。
 今日の箇所で個人的に好きなのは、ダビデとバルジライの別れのエピソードです。



 希望を。愛を。平和を。絶えることなき悠久の希望を。我は伏して願い奉る。

 ♪さんさんななびょーし♪◆

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第0336日目 〈サムエル記下第18章3/3&第19章1/3:〈二人の急使〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第18章3/3と第19章1/3です。

 サム下18:19-32&サム下19:1〈二人の急使〉
 アブサロム死す。その報告の仕方について一争議あった。
 まず祭司ツァドクの息子アヒアマツが伝令役に志願した。ヨアブはそれを退け、クシュ人の男にその役を命じた。「行って、お前が見たとおりに王に報告せよ。」(サム下18:21)男はさっそく走っていった。
 が、アヒアマツは再び志願した。どうしても、と懇願するので、ヨアブは首を縦に振った。アヒアマツは走った。低地のコースを選んだので、途中で先行するクシュ人を追い越した。
 そのころダビデ王は2つの城門の間に坐っていた。見張りがアヒアマツが走ってくるのを見つけ、王に知らせた。ダビデは、一人ならば吉報であろう、と答えた。続けてクシュ人の姿を見張りは捉えた。二人ならばさらに吉報であろう、とダビデは答えた。
 先に到着したアヒアマツはダビデ王に報告した。主は王の手に敵を渡されました、がアブサロムについてはなにも知りません、と。
 遅れてクシュ人の男が到着、ダビデ王に報告した。主は王の手に敵を渡されました、王に反逆する者はことごとくあの若者アブサロムの如くなりましょう、と。
 ダビデ王は息子アブサロムの死を知った。
 ダビデ王は体を震わせながら、城門の上の部屋に行き、嘆いた。
 「わたしの息子アブサロムよ、わたしの息子よ。わたしの息子アブサロムよ、わたしがお前に代わって死ねばよかった。アブサロム、わたしの息子よ、わたしの息子よ。」(サム下19:1)

 王の嘆きは身に迫ります。「お前に代わって死ねばよかった」とは実によくわかる台詞です。同じ感慨をいまも持ち続けていますから━━。
 ここは、旧約聖書、否、聖書全体で最も悲痛、胸を抉られる悲しみに満ちあふれた部分です。



 『EUREKA ユリイカ』(2001)を観ました。
 明日09月11日は本ブログを安息日と致します。◆

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第0335日目 〈サムエル記下第18章2/3:〈戦闘とアブサロムの死〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第18章2/3です。

 サム下18:6-18〈戦闘とアブサロムの死〉
 遂に戦いの火蓋が切って落とされた。両軍はエフライムの森で激突した。イスラエル軍は大敗を喫した。20,000人を失い、「戦いはその地の前面に広がり、その日密林の餌食になった者は剣が餌食にした者よりも多かった。」(サム下18:8)
 アブサロムも餌食になった一人だった。彼は樫の木の枝が絡まりあう下を通った際、そこへ頭を引っかけてしまって宙ぶらりんになった。そこをダビデの家臣に発見された。その知らせは将軍の一人ヨアブにもたらされた。
 ヨアブはその家臣に詰問した。なぜその場で打ち落とさなかったのか、と。家臣は答えて曰く、王が若者アブサロムを無事に守れ、手荒に扱うなというのをれらは聞いていたから、と。
 そこでヨアブが赴いた。まだ生きているアブサロムの心臓に3本の棒を突き刺した。大地に卸されたアブサロムを10人の従卒がそれぞれ打った。王の息子アブサロムは絶命した。イタイは森のなかの大穴へ投げこまれ、石を積みあげて塚が作られた。
 ヨアブは角笛を吹き鳴らした。戦闘は終わった。イスラエルの敗残兵は自分たちの天幕へ逃げ帰った。
 「アブサロムは生前、王の谷に自分のための石柱を立てていた。跡継ぎの息子がなく、名が絶えると思ったからで、この石柱に自分の名をつけていた。今日もアブサロムの碑と呼ばれている。」(サム下18:18)

 奢れる者は久しからず、盛者必衰の理をあらわす。正に、正に。



 機会あればA.シェーンベルクの《浄められた夜》に耳を傾ける日々。
 イメージの明確な映像化。それから一切自由の空へ羽ばたく想像。
 そして、この世への別れ━━。
 訣別。永別。……人が如何に表現しようとも。◆

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第0334日目 〈サムエル記下第17章2/2&第18章1/3:〈会戦の準備〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第17章2/2と第18章1/3です。

 サム下17:24-29〈会戦の準備〉1/2
 ヨルダン渡河したダビデ軍はギレアド領マナハイムに到着した。
 ラバ出身のアンモン人ナハシュの子ショビ、ロ・デバル出身のアミエルの子マキル、ロゲリム出身のギレアド人バルジライの3人が、王一行に食糧他を提供した。
 「兵士が荒れ野で飢え、疲れ、渇いているにちがいないと思ったからである。」(サム下17:29)
 そのころアブサロム率いるイスラエル軍もヨルダン川を渡っていた。司令官はヨアブに代わってイスラエル人イトラの子アマサ。彼らはギレアドの地に陣を敷いた。

 サム下18:1-5〈会戦の準備〉2/2
 ダビデ王は千人隊と百人隊の長を任命し、全軍を3つに分けた。それぞれヨアブとアビシャイ、ガト人イタイの指揮下に置かれた。
 王も共に出陣しようとした。が、兵の一人が諫めた。「あなたは我々の一万人にも等しい方です。今は町にとどまり、町から我々を助けてくださる方がよいのです。」(サム下18:3)
 ダビデは首肯した。3人の将軍即ちヨアブとアビシャイ、ガト人イタイに、若者アブサロムを手荒には扱わないでくれ、と命令した(サム下18:5)。
 すべての兵がこれを聞いていた。そうして、ダビデ王は出て行く兵たちを見送った。

 両軍がヨルダン渡河し、戦場はヨルダン川東岸ギレアドの地へ━━。



 返却日が明日に迫ったDVD数本。今日は新海誠原作・脚本・監督のアニメ『雲の向こう、約束の場所』(2004)を観ました。
 映像と物語の美しさとリリシズム、触れれば壊れそうな脆さと金剛石より堅い心の強さが同居した作品。これは『ほしのこえ』でも言えたことだけれど……。
 観ないで済ますこともできるけれど、観ないで人生を終わらせるのはもったいない一本です。オススメ! というよりも新海作品はすべてが、オススメ!!
 配役(声優)は吉岡秀隆(ヒロキ)、萩原聖人(タクヤ)、南里侑香(サユリ)、石黒運昇(岡田)、井上和彦(富澤)他。個人的には岡田と富澤の配役がストライクで……いやぁ、ホレイショとジャックが新宿は思い出横丁(たぶん)で酒飲んでるよ……!!!◆

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第0333日目 〈サムエル記下第17章1/2:〈アヒトフェルとフシャイ〉2/2〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第17章1/2です。

 サム下17:1-23〈アヒトフェルとフシャイ〉2/2
 アヒトフェルはアブサロムへ進言した。わたしに12,000人の兵を選ばせてください、それを率いてダビデの軍を攻撃します、と。そうすれば平和が訪れるでしょう、とも。
 アブサロムはアルキ人フシャイの意見も聞きたい、と彼を召して、新たな提案があれば示せ、と命じた。
 フシャイはアヒトフェルの進言に、「否」といった。ダビデ王とその軍がどれだけ勇敢かは知っているはず、「最初の攻撃に失敗すれば、それを聞いた者は、アブサロムに従う兵士が打ち負かされた、と考え」(サム下17:9)戦意は失われてしまうだろう、と。
 それよりも、と彼は代替案を示した。全イスラエル軍を召集して、アブサロム自身がこれを率いて、隠れ場に潜むダビデ王を襲うのがいちばん良い、と。
 アブサロムもイスラエルの長老たちもフシャイの案がより優るものと思い、そちらを採択した。「アヒトフェルの優れた提案が捨てられ、アブサロムに災いがくだることを主が定められたからである。」(サム下17:14)
 ━━フシャイはダビデ追討の計画を祭司ツァドクとアビアタルへ知らせた。そして、いった。「急いで、使者をダビデに送り、こう告げなさい。荒れ野の渡し場で夜を過ごさず、渡ってしまわなければなりません。王と共に従う兵士が全滅することのないように。」(サム下17:16)
 事前に王が決めていたように、それぞれの祭司の息子、ツァドクの息子アヒアマツとアビアタルの息子ヨナタンによって報は、途中アブサロムの部下に見附って危ない目に遭ったと雖も、追討計画は荒れ野の渡し場で滞留中のダビデ王にもたらされた。
 王はすぐさま移動を開始した。夜明けまでに一人残らずヨルダン川を渡り、東岸への移動を完了した。
 一方アヒトフェルは自分の提案が退けられたので、ギロの町に帰り、家のなかを掃除して、首を吊って自殺した。

 アヒトフェルの進言は、冷静に考えれば、あまりに太平楽な考えだろう━━素人が軍を率いて錬磨のダビデ王軍を奇襲するとはっ! 馬鹿にも程がある。
 が、これが実行されれば、アブサロムの命は永らえただろう。
 フシャイの意見を採択したことは即ち、アブサロムを戦場に向かわせ、アブサロム戦死のシナリオを具体化させる以外の何物でもなかったのである。そんな意味でアヒトフェルの進言は失敗し、フシャイの進言は見事に功を奏したのである。
 サム下17はアヒトフェルの自殺を持って終わる。彼を自殺に至らせたのは「悔恨」だろうか、それとも「怨恨」だろうか。おそらく前者であったろう。アブサロムを死地へ赴かせたのは、自分の力不足も手伝ってのことだろうから。
 ともあれ、アヒトフェルの自殺によりフシャイに課せられていた役割は果たされた、と捉えてよかろう。



 日本映画専門チャンネル(707ch)で映画『ハッピー・フライト』を観ました。映画館に足を運ぶべきだった!! 
 あー、やっぱり空や海に携わる仕事っていいなぁ。このせせこましい地上で俺はいったいなにをやっているんだろう? そうか、小説を書いたりドラマを書いたりする理由の一つはそれかもな。
 空港と機内で働く人たちの生態がおもしろ可笑しくかつ真摯に描かれ、仕事へのプライドをも画面の外まで伝えてこさせる。これはやはり積み重ねられたリサーチとANAの協力あってこその真実味なのだろうな、と、ケタケタ笑ってほのかにジンワリしながら感じました。
 ゲストは矢口史靖監督。さまざまに裏話が飛び出て興味深い。既にwikiなどで取得できる情報ながら、やはりこうして当事者(監督!)の口から語られると些細な事柄でも生々しく感じられますな、いやまったく。軽部支配人のトークの炸裂に閉口する一場面あれども、それは知識と映画への愛ゆえじゃ。
 余談ながら竹中直人はこれで矢口監督作品3作連続出演。次も出るのかなぁ……。

 本編後は全5話のサイドストーリーが放送。タイトルと監督・脚本、出演者は以下の通り(放送順)。
・「アイハブ・ユーハブ」 監督:矢口史靖 出演:田辺誠一
・「パイナップル」 監督:石井普一 出演:菅原大吉
・「細野が恋をした場合」 監督:山本大輔 出演:佐伯新
・「歯医者発、しあわせ便」 監督:松岡良樹 出演:平岩紙
・「What's your name ?」 監督:山口晃二 出演:綾瀬はるか
 なかでも紙ちゃん主演の切ない(ん?)ラヴストーリー「歯医者発、しあわせ便」がよかった。
 名バイブレーヤーでありながら、否、それゆえにメインスポットを我が身に浴びることほぼ皆無であった平岩紙の魅力が120%の勢いで炸裂した、記憶に残る一作でした。
 この衝撃、敢えていうなら、1913年パリで世界初演されたストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》クラス。◆

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第0332日目 〈サムエル記下第16章2/2:〈アヒトフェルとフシャイ〉1/2〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第16章2/2です。

 サム下16:15-23〈アヒトフェルとフシャイ〉1/2
 いまやもぬけの殻となったエルサレムへ、アブサロムは全軍を率いて入城した。そこにアルキ人フシャイが出迎えたのをアブサロムは不審に思ったが、王様ばんざい、と二度も繰り返すのにすっかり気を良くしてしまった。
 そんなアブサロムにフシャイはいった。「主とここにいる兵士とイスラエルの全員が選んだ方にわたしは従い、その方と共にとどまります。それでは、わたしは誰に仕えればよいのでしょう。御子息以外にありえましょうか。お父上にお仕えしたようにあなたにお仕えします。」(サム下16:18-19)
 ━━この台詞は二重の構造を持っていた。表面上はアブサロムへの仕えるとの意思表示。が、その実ダビデ王への忠誠を違わず誓っているのだ。アブサロムはフシャイの真意を見誤ったまま、フシャイとアヒトフェルに政策の立案などを委ねた。

 ダビデ王は王宮守備のため、10人の側女を残していった。アヒトフェルは王宮へ入るよう奨めた。アヒトフェル曰く、「あなたが敢えてお父上の憎悪の的となられたと全イスラエルが聞けば、あなたについている者はすべて、奮い立つでしょう。」(サム下16:21)
 それはアブサロム反逆を正当化する台詞であった。アヒトフェルの進言(提案)に従って、アブサロムは王宮へ入った。
 「そのころ、アヒトフェルの提案は、神託のように受け取られていた。ダビデにとっても、アブサロムにとっても、アヒトフェルの提案はそのようなものであった。」(サム下16:23)
 ━━ダビデにとっても? 皮肉めいた一節である。それはおそらく裏返しの意味で、われわれ読者は取るべきだろう。

 何度も読んで言わんとするところを考え抜き、前後の記述にあたり文脈を正しく捉え、たまに注釈書や解説書を繙く━━。
 読書とは決して受動的なばかりでない、と、教えてくれる数多ある内の一冊が聖書である。ゆめいい過ぎではないでしょう。



 クリフォード・シマックのSF小説を古本屋の棚で発見。懐かしさ半分で手にしたら、もうすっかり“沈没”気味です。エルロイの『L.A.コンフィデンシャル』も上巻を半分強消化、併読中なものでどうしても遅くなっちゃいます……。◆

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第0331日目 〈サムエル記下第16章1/2:〈ダビデとツィバ〉&〈ダビデとシムイ〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第16章1/2です。
 この第16章は後半〈アヒトフェルとフシャイ〉が次章にまたがる一流れのエピソードとなるため、2回に分けることといたします。ご了承ください。

 サム下16:1-4〈ダビデとツィバ〉
 オリーブ山の山頂を少し下ったところで、ダビデ王はツィバの歓迎を受けた。彼はメフィボシェトの土地で収穫された食糧を持ってきていた。急いでエルサレムを離れたので、ろくに食料や飲料の準備ができていなかったダビデ王一行はこれを大いに喜んだ。
 ツィバが持ってきた食糧他は以下の通りであった。
 1:2頭の鞍を置いたろば、これは王の家族の乗用に。
 2:200個のパン、
 3:100房の干しぶどう、
 4:100個の夏の果物、2-4は従者の食用に。
 5:1袋のぶどう酒、これは荒れ野で疲労した者の飲用に。
 ところで、とダビデ王は訊ねた。お前の主人即ち亡きサウル王の息子メフィボシェトはどうしているか、と。ツィバは斯く答えた、━━
 「エルサレムにとどまっています。『イスラエルの家は今日、父の王座をわたしに返す』と申していました。」(サム下16:3)
 それはメフィボシェトの裏切りを意味する言葉であった。
 かつてダビデは亡きサウル王の遺族があれば教えよ、とツィバに訊ねてこの両足が不自由なメフィボシェトの存在を知った。王はサウルの遺児を召して、エルサレムへ住めるよう計らった。ツィバはメフィボシェトの耕地を耕す役目としてメフィボシェトに侍った(サム下9)。そうしたダビデ王の好意をすべてメフィボシェトは踏みにじった、とツィバは暗に伝えたのである。
 ダビデ王はメフィボシェトに属する物の一切をツィバに与えた。

 サム下16:5-14〈ダビデとシムイ〉
 ダビデ王一行はオリーブ山をあとにし、東へ向かっていた。バフリムにさしかかったときである。
 サウル王家の一族の出身ゲラの子シムイが、ダビデを呪いながら現れ出でて、王とその家臣たちの列に石を投げつけ、投げ続けた。
 ツェルヤの息子アビシャイの進言━━行って殺してきましょう━━を、ダビデ王は退けた。放っておけ、主が、ダビデを呪えとシムイに命じているのだろうから、と。続けて、━━
 「わたしの身から出た子がわたしの命を狙っている。ましてやこれはベニヤミン人だ。勝手にさせておけ。主の御命令で呪っているのだ。主がわたしの苦しみを御覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」(サム下16:11-12)
 シムイは相変わらず王とその家臣たちに石を投げ、塵を浴びせた。呪いの言葉を吐きながら。
 「王も同行の兵士たちも皆、疲れて到着し、そこで一息ついた。」(サム下16:14)

 前章にてわれわれは、エルサレムを放棄して急遽撤退するなか、ガド人の立場を憂慮するダビデ王の姿を見ました。ここではサウル王家の生き残りシムイがストーカーの如く付きまとってくるのを、寛大に扱うダビデ王の姿が描かれています。こうした火急の場にあってダビデ王の賢人ぶりがにわかにクローズアップされる。かと思えば姦通の罪を犯し、数々の失態失策を繰り返すダビデ王の姿も、われわれは見てきました。〈賢王ダビデ〉よりも〈王位に在る人間ダビデ〉が、実に冷静な視点で記されているところに、或る意味で慄然とするのであります。
 なお、ダビデがオリーブ山をあとにしてシムイの襲撃を受けたバフリムとは、サム下3:16に既出の谷間の町━━エルサレム北東にあってエリコへ向かう街道の付近にあった、とされる町。北王国イスラエルと南王国ユダの境界線の手前(ユダ側)に位置していました。



 こんな週末の夜は、朝までOさんとお話ししたりご飯食べたりお酒飲んだりしたいなぁ、と妄想<希望を抱くのであった。◆

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第0330日目 〈サムエル記下第15章:〈アブサロムの反逆〉、〈ダビデとイタイ〉他〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第15章です。

 サム下15:1-16〈アブサロムの反逆〉
 ダビデ王との和解後、アブサロムは自分のために戦車と馬、50人の護衛兵を整えた。また、早朝には城門の傍らに立ち、王に裁定を求めてやってくる誰彼を片ッ端から呼び止めて相手がイスラエルの諸部族の者とわかると、裁定に於ける王の不公平と自分の公平を訴えて甘言を弄して、「イスラエルの人々の心を盗み取った。」(サム下15:6)
 40歳になったとき(70人訳の一部、シリア語訳他では“4年後”とも)、アブサロムはダビデ王に、自分の生地ヘブロンへ行かせてほしい、と頼んだ。主に仕えるためである、と。ダビデはこれを諾い、アブサロムは出発した。その頃、イスラエルの全部族はアブサロムからの密使の訪問を受けていた。内容はこうである、角笛が鳴ったら、ヘブロンでアブサロムが王位に就いたと言うように云々。エルサレムからアブサロムに率いられて出発した200人の家臣たちは、この件をまったく知らされていなかった。
 次いでアブサロムは、ダビデ王の顧問ギト人アヒトフェルを、自分の陣営に招き入れた。アブサロムはダビデ王の優れた家臣たちを奪い、自分の陣営に引きずりこんだ。彼らは結果的に、謀反人へ仕立てあげられた。
 「陰謀が固められてゆき、アブサロムのもとに集まる民は次第に数を増した。」(サム下15:12)
 ━━ダビデ王はアブサロムの謀反を知った。状況は既に多勢に無勢である。王はエルサレムを放棄するかの如く、町から撤退した。家臣の者は皆従ったが、王宮の守備のために側女10人が残されていった。

 サム下15:17-23〈ダビデとイタイ〉
 家臣らはエルサレムを離れ、王に付き従った。そのなかにガト人がいた。ガト人は亡命者であった。
 ダビデ王はガト人イタイにいった。なぜあなた方までが付き従うのか、と。われわれ同様の放浪者になることはない。さあ、戻ってゆきなさい。
 ガト人イタイは答えた。主も王も生きておられる、王の行かれる場所が僕のいる場所です、と。
 こうしてガト人も皆、ダビデ王と行を共にした。
 「その地全体が大声をあげて泣く中を、兵士全員が通って行った。王はキドロンの谷を通り、兵士も全員荒れ野に向かう道を進んだ。」(サム下15:23)

 サム下15:24-29〈ツァドク、アビアタルと神の箱〉
 ところで神の箱、契約の箱もダビデ王の一行と共にエルサレムを離れていた。
 ダビデ王は祭司ツァドクにいった。神の箱を携えてエルサレムへ戻れ、と。平和にエルサレムへ戻れ、と。
 「わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。」(サム下15:25)
 また、こうも王はいった。ツァドクの息子アヒアマツとアビアタルの息子ヨナタンも一緒に連れて帰るように、と。「わたしはあなたたちからの知らせを受けるまで、荒れ野の渡し場で待っている。」(サム下15:28)

 サム下15:30-37〈ダビデとフシャイ〉
 ダビデ王とその一行はオリーブ山に到着した。その山頂は神を礼拝する場所であった。その山頂でダビデを、アルキ人フシャイが迎えた。
 フシャイにダビデはいった。エルサレムへ戻って新王アブサロムへ仕えよ、と。お前のみが、アブサロムに寝返ったギト人アヒトフェルの助言を覆せる。都に留まり祭司ツァドクとアビアタルと行動を共にせよ、王宮内外で耳にした情報は彼らに伝えよ。彼らの息子アヒアマツとヨナタンがそれを私に伝えてくれる、と。
 フシャイはエルサレムへ戻った。
 アブサロムもエルサレムへ戻ってきた。

 敗走に映るやもしれぬダビデのエルサレム撤退。が、王はこの町に策を残してゆきました。それは、来るアブサロムとの戦いに備えた情報収集でありました。
 オリーブ山はこれまでにも何度か登場してきた、山頂が神への礼拝所になっている山。それゆえに大切にされてきた山でした。場所はエルサレムの東、キドロンの谷の向こうに聳える地点。そのまた東に広がるのが荒れ野、そこを横断するとダビデらが目指すヨルダン川の渡し場に至ります。決戦の場はここを渡ってヨルダン川東岸に準備されます。余談ですが、楽聖ベートーヴェンに《オリーブ山上のキリスト》というオラトリオ(Op.85)があります。ケント・ナガノの指揮による輸入盤がオススメ(HMF HMC801802)。
 アブサロムへ寝返ったダビデ王の顧問ギト人アヒトフェルは、サム下11にてダビデと契りを交わしたバト・シェバ(後のソロモン王の御母。サム下12:24)の祖父(エリアムの父)です。
 また、アルキ人フシャイはダビデ王の忠実な臣下にして友。ダビデ王たちと行動を共にはせず、アヒトフェルがアブサロムへする助言を覆す役という特別な使命を帯びてエルサレムへ帰還します。彼がアブサロム王宮とダビデ側の祭司ツァドクとアビアタルを結ぶパイプ役となり、王宮での謀議の内容をダビデ王に知らせるのでした。
 ちなみに、フシャイが属するアルキ人は、ベニヤミン領内に住む部族の一。ヨシュ16:2にその名があります。



 民主党獲得308議席の内、143議席が新人・素人議員という現実。実質的には能力を疑問視される人材が半分近くも集ったことになる。この点、都議選とまったく同じ構図、民主党だから当選した、という野暮極まりない体たらく。
 まったく片腹痛い。これでまともな政権運営がなされるのかのぉ。呵々。キャンベル米国務次官補が懸念と不安を露骨に示す気持ちもわかるわな(そのキャンベル氏、09月16日来日予定……やっと!?)。新人・素人が業界の半分を占めても歓迎されるのは、グラビアとAVぐらいのものじゃ。
 大量繁殖した“小沢チルドレン”ちゅう新種は、自民から政権を奪うためのみに急ごしらえされた泥人形じゃ。次の衆院選でどれだけが生き残るのじゃろうな。まぁ、俗称“民主の太蔵”、東海ブロックで比例・棚ボタ当選した磯谷香代子さんには、ちと頑張れぇや、とエールを送りたい気分であるのに、現時点に於いて「否」と申すつもりは毛頭ないが。
 で、その小沢某殿、幹事長受諾の由。ああ、海部政権の甘い汁再び! お得意の傀儡政権再現かっ!◆

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第0329日目 〈サムエル記下第14章:〈ダビデ、アブサロムを赦す〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第14章です。

 サム下14:1-33〈ダビデ、アブサロムを赦す〉
 ヨアブはダビデ王の心がアブサロムへ向けられているをの知っていた。そこでベツレヘム北西約8キロの位置にあるテコアに住む、一人の知恵ある女に依頼して、王とアブサロム恩赦と帰還の調停役を委ねた。ヨアブは女に長く喪に服す役を演じさせ、調停のシナリオを渡した。結果からいえば、テコアの女は見事にこの大役を果たした。
 テコアの女はダビデ王の前に出た。自分は夫を亡くしたやもめで他に2人の息子がいる、と。が、兄弟は畑で諍いを起こして一方がもう一方を殺めてしまった、親族は加害者を差し出すように求め夫の血を断たんとしている。だが私は母親ゆえに生きている方の息子も愛しているのだ、と。
 するとダビデ王はいった、お前のために命令を出そう、と。が、否とテコアの女はいった。「王様、どうかあなたの神、主に心をお留めください。血の復讐をする者が殺戮を繰り返すことのありませんように。彼らがわたしの息子たちを断ち滅ぼしてしまいませんように。」(サム下14:11)
 前述した通り、これはヨアブのシナリオであった。女の台詞にはアブサロムへの恩赦と帰還の希望が込められていた。続くテコアの女の台詞はこうであった、━━
 「なぜ、神の民に対してあなたはこのようにふるまわれるのでしょう。王様御自身、追放された方を連れ戻そうとなさりません。(中略)わたしたちは皆、死ぬべき者、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなものでございます。神は、追放された者が神からも追放されたままになることをお望みになりません。」(サム下14:13-14)
 この会見に裏がある、と察したダビデ王は、テコアの女に、これはヨアブの差し金であるな、と確かめた。テコアの女は王の明晰を称えてから首肯した。王はヨアブを前にして、アブサロムの恩赦と帰還を命じた。が、アブサロムを自分の前に召そうとまではしなかった。

 アブサロムはエルサレムで2年を過ごしたが、一度も召しがないのに憎悪を募らせていた。2人を結ぶヨアブも、アブサロムの招請を退けていた。それは、アブサロムの憎悪に拍車をかけた。
 遂にアブサロムはヨアブの地所に火を放った。両者の地所は隣り合っていたのである。
 非を唱えやって来たヨアブに、アブサロムはいった。王に、俺はなんのためにゲシュルから戻ってこさせられたのか、と訊いてほしい、と。エルサレムへ帰ってきてもう2年、ただの一度も王の御前に召されないとはどうしたことか、これではゲシュルにいた方がマシだった、と。「王に会いたい。わたしに罪があるなら、死刑するがよい。」(サム下14:32)
 それを聞いてダビデ王はアブサロムを召した。父子は和解した。
 が、それは表面上の和解でしかなかった。

 ダビデ王の治世の後半━━もっとはっきりいえばアムノンとタマルの一件以来ということですが━━は、政権が安定したせいでもあったのか、王宮内、家庭内の出来事に焦点が移されました。そこで我々が見るのは、或る意味でサウル王時代よりも生々しい人間模様でした。
 その中心にあるのは、なんというてもダビデ王とアブサロムの確執。サムエル記下の主軸にあるのは両者の対立と顛末であります。それを裏付けるようにサム下14は不穏な空気を漂わせて幕を閉じ、次章へ、更なる先へ我々の興味関心を誘います。が、それはそのときになってお話しすることにしましょう。
 それにしても、「わたしたちは皆、死ぬべき者、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなもの」、か……。



 横浜市の新市長に民主党推薦の林某子が就任。だいじょうぶか、ホントに。
 選挙カーの前を走る買い物帰りの主婦の自転車に向かって、「ちょっとそこの自転車、どきなさいッ!!」とマイクで叫んだ(ゆえに本人かどうかは定かでないが女声であったのは事実)、我が耳を疑う行状を曝してくれた場面を目撃してしまいましたからねぇ……。
 この方、中田市政の継承を訴えておりましたが、どれだけの実行力があるのか、甚だ疑問。この人がどれだけの指導力を発揮し、政策を実行に移せるのか、しばし静観するより他なさそうです。ちなみにさんさんかは中西氏に投票しました(実に接戦だった!)。
 果たして新市長が、この港湾都市からも奪われた生活と雇用の安定を回復し、なによりも某元市長によって破壊された秩序を回復させられるのか。飛鳥田-細郷-中田に次ぐ名市長のリストに名を連ねられるか否か。
 興味津々かつ戦々恐々、加えて冷ややかに見守ることといたしましょう。まぁ、せいぜい最初の任期を全うできるようがんばってくれ。
 だけど、本当に市民の声を取り入れた市政なんて実現できるのかなぁ。まぁ、東京よりはずっとマトモな街に「復活」させてくれればいいか。でもこの人は、横浜市とそんなに縁が深いというわけでもないんだね。◆

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第0328日目 〈サムエル記下第13章:〈アムノンとタマル〉&〈アブサロムの復讐〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第13章です。

 サム下13:1-22〈アムノンとタマル〉
 アムノンはダビデ王の長男、母はイズレエル人アヒノアム。タマルはダビデ王の三男アブサロムの妹で、母はゲシュルの王タルマイの娘マアカ。アムノンはタマルを愛し、その愛は強靱で枯れることなく千尋の谷の底よりも深く、ゆえに病を患うやもしれぬ程に彼女を愛しその愛を求めた。
 アムノンは友ヨナダンの提案を入れて、見舞いに訪れた父王に、タマルを寄越してくれ、と懇願した。自分の前で料理を作ってもらい、手ずから食べさせてほしいのです、と。ダビデはその通りにした。
 臥すアムノンの前でタマルは、「心」という名のレビボットというお菓子を2つ作った。アムノンは人払いをして、タマルへ、床の横まで来てその手で食べさせてくれ、と頼んだ。タマルはその通りにした。
 が、アムノンは突然タマルを捕らえて、私と寝てくれ、といった。タマルはそれを拒んだ。「わたしを辱めないでください。イスラエルでは許されていないことです。(中略)どうぞまず王にお話ください。王はあなたにわたしを与えるのを拒まれないでしょう。」(サム下13:12-13)
 それでもアムノンはタマルの気持ちを斟酌せず、彼女を組み敷いて床を共にした。タマルは処女でなくなった。
 アムノンはタマルに愛以上の憎しみを感じ、追い出した。「わたしを追い出すのは、今なさったことよりも大きな悪です」(サム下13:16)というタマルの言葉をも無視して。彼女は上着を引き裂き、灰を頭からかぶり、手を頭に当てながら嘆き声をあげ、帰途に就いた。
 タマルの身に起きたことを知った兄アブサロムは、アムノンを密かに憎悪した。

 サム下13:23-39〈アブサロムの復讐〉
 復讐のため、アブサロムは言葉巧みにダビデの王子たちをバアル・ハツォルへ誘った。この地でアブサロムの羊の毛が刈られるので、それに招待する、という名目で、ダビデ王に謀ったのだ。
 アブサロムは家臣に命じて、アムノンを殺させた。酒で上機嫌になり、へべれけでいるところを襲わせたのである。他の王子たちは這々の体で逃げ出した。アムノンただ一人が討たれた。アブサロムは目的を果たした。復讐は果たされた。彼は祖父ゲシュルの王タルマイの元へ逃れて、そこで3年暮らした。
 一方ダビデの許には王子たち全員が殺された、という誤報がもたらされていた。王は嘆き悲しんだ。家臣らも皆━━否、一人を除いて。その一人とはヨナダブ。アムノンの友人にして、ダビデ王の兄弟シムアの息子である。彼は、殺されたのはアムノンただ一人、他の王子たちは生きておられます、と王に諭した。そのとき、山腹のホロナイムの道をたどって、生き残った王子たちがエルサレムへ帰着した。
 「アムノンの死をあきらめた王の心は、アブサロムを求めていた。」

 処女姦通の罪は出22:15に明示。犯したら結納金を支払って娶らなくてはならない(追い出してならない)、とも出22:15にあります。同様のことは申22:28-29にある。
 「ホロナイム」とは「二つのホロン」の意味。エルサレム北西約17kmの場所にある上ホロンと下ホロンの町を指す。
 この章の通奏低音をなすのは、「邪淫の妄執」と「アンヴィバレンツ」であるように思いました。愛と憎しみは古今東西問わずに紙一重。これ程心に添う章も珍しいです。
 曰く、“in unnutz toller Wut!/Hat keiner Lohn”(「結局は迷妄なのだ、その原因を極めてみると」)ということか。台詞はワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第3幕第1場より。ウムラウトは“unnutz”の2番目の“u”に付せられる。



 CSで『ウォーターボーイズ』(707ch 日本映画専門チャンネル)を観ました。いや、相変わらずこれ面白いな。前半は殆ど覚えていなかったのですが、本日の観賞で記憶からすっこ抜けていた箇所の補完ができました。
 明日は『スウィングガールズ』か。でも、同じ時間帯で『LOST』があるからな、これはさっくり諦めよう。◆

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第0327日目 〈サムエル記下第12章:〈ナタンの叱責〉、〈ソロモンの誕生〉&〈ラバの占領〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第12章です。

 サム下12:1-23〈ナタンの叱責〉
 万軍の神、主は預言者ナタンを通じてダビデを叱責した。「なぜ主の言葉を侮り、わたしに意に背くことをしたのか。」(サム下12:9)
 ダビデは許しを乞うたが、主は顧みなかった。バト・シェバが産んだ男児は7日後に死んだ。その間ダビデは断食して子供が救われるよう祈ったが、身罷(みまか)ったとわかると食事を用意させて、これを食べた。「(息子は)死んでしまった。断食したところで、何になろう。」(サム下12:23)

 ※図々しくも潔いダビデ王。自らの多情が招いた、同情の余地なき醜態です。
  一人の女で満足できないのが権力者階級ならそんな連中は滅びてしまえ。

 サム下12:24-25〈ソロモンの誕生〉
 王はバト・シェバを慰め、子作りに励んだ。ソロモンが誕生した。
 主もソロモンを愛した。ゆえに彼はエディドヤ(主に愛された者)とも呼ばれた。

 ※不実の子を支配者に戴くイスラエルが、やがて我らの眼前に立ち現れることでしょう。

 サム下12:26-31〈ラバの占領〉
 ウリヤが落命し、ヨアブが攻めたアンモン人の町ラバ。
 ヨアブは町を完全占領するために。新たに派兵を求めた。攻撃の末にラバは陥落した。イスラエルはラバを占領した。
 夥しい量の戦利品がエルサレムへ運ばれた。 

 ダビデ王の不埒と愚能が詰めこまれた第12章を終わります。
 あまりに腹立たしい、としか感想はありません。サウル王の方がまだしも、というところかもしれません。



 ジェイムズ・ティプトリーJr「たったひとつの冴えたやりかた」(ハヤカワ文庫SF同題短編集所収)を読みました。いつ読んでも、胸をきゅっ、と締めつけられますね。
 日頃SFを読まない人々にも、一生に一度は読んでおいてほしい一冊(一作)があるとすれば、さんさんかは真っ先にこの一編を挙げます。
 大好きなコーティー・キャスとシベローン……。あなた方の取った行動こそ、まさに〈たったひとつの冴えたやりかた〉(“The Only Neat Thing To Do”)だった。
 これの新訳単行本も買っちゃおうかな、と考える台風の嵐を窓の外に見るけふ葉月晦の夕暮れ。
 ついでに映画『ペイチェック』がテレビ放送されたのを機に、ディックの原作「報酬」も読んでいました。先程読み終えたところです。◆

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第0324日目1/2 〈サムエル記下第11章:〈ウリヤの妻バト・シェバ〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下11章です。

 サム下11:1-27〈ウリヤの妻バト・シェバ〉
 ダビデの行いは主の御心にそぐわなかった。それはこういう理由からである、━━
 ダビデ王はエルサレムに留まったまま、ヨアブ麾下の全イスラエル軍を送り出し、アンモン人討伐に向かわせた。イスラエルはヨルダン川東岸にあるラバの町を包囲した。数日後、王の命令に拠ってヨアブはラバの町を攻撃した。その最前線にはヘト人ウリヤが置かれていた。これも王の命令であった。
 というのも、王はウリヤの美しい妻バト・シェバに懸想したからである。軍を送り出した王は王宮を散策中、バト・シェバを見初め、彼女の感情を無視して召させ、床を共にした。バト・シェバは王の子を宿した。
 王はウリヤを前線から呼び戻し、ヨアブや兵の安否、戦況を訊ねた。それが済むと帰宅するよういったが、ウリヤは帰らなかった。戦はまだ終わっておらず、自分もまだ兵役にあると弁えていたからである。ウリヤはこういった、「神の箱もイスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にできるでしょうか。あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません。」(サム下11:11)
 翌る日、ダビデはヨアブ宛の書状をウリヤに持たせて、戦地へ送り返した。書状には斯くあった、ウリヤを最前線に出して戦死させよ、と。そして、そうなった。ウリヤのみならず、他にも多くの兵士が命を墜とした。ヨアブはそうダビデに報告した。
 ウリヤは戦死した。嘆くバト・シェバはダビデ王に召されるまま王宮に入って妻となった。やがて彼女は男児を産んだ。ダビデは斯様にして自ら犯した姦淫を隠蔽し、バト・シェバを不正に手に入れたのである。
 「ダビデのしたことは主の御心に適わなかった。」(サム下11:27)
 ゆえに主は預言者ナタン(サム下7:2)を介してダビデ王と対立する(サム下12)。

 慕情をなだめるのは苦しみばかり。封印するのはもっと難しい。否、不可能であろう。
 おぐゆーさん……。
 鋼のように強靱で、絹のようにやわらかい。
 想いを言葉で形にするならそんな風になるか。



 『20世紀少年-もうひとつの第2章-』(NTV)を観ました。ますます第3章が観たくなりました。◆

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第0323日目 〈サムエル記下第10章:〈アンモン、アラムとの戦い〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第10章です。

 サム下10:1-19〈アンモン、アラムとの戦い〉
 アンモン人の王ナハシュが崩御し、新たにハヌンが即位した。ダビデは「ナハムがわたしに忠実であったのだから、わたしもハヌンに忠実であるべきだ」と考え、哀悼の使節団を送った。が、アンモン人の高官たちはダビデの義を曲げて、主君ハヌンへ報告した。スパイと思うたのである。アンモン人はダビデの使節団を捕らえた。彼らの髭を半分切り落とし、衣服の腰から下を切り落とした。這々の体で帰着する使節団にダビデは、エリコに一旦とどまって髭が生えそろってから帰還せよ、と命じた。
 アンモン人はダビデの怒りを、憎しみを買った、と悟った。そこでベト・レホブとツォバの地にいるアラム人20,000人を歩兵として雇い入れた。また、マアカの王に1,000人、トブに12,000人を要請した。迎え撃つダビデは、ヨアブ以下の全軍を繰り出した。
 アンモン人側は二重に陣を敷いた。ヨアブ率いるイスラエル軍も精鋭を選び抜いて戦列を整えた。ヨアブはいった、━━
 「我らの民のため、我らの神の町々のため、雄々しく戦おう。主が良いと思われることを行ってくださるように。」(サム下10:12)
 イスラエルを前にしてアラム軍もアンモン軍もたちまち逃げた。イスラエル軍はエルサレムに帰還した。
 アンモン人は団結して、再び戦の準備を整えた。ハダドエゼルはユーフラテスの向こうにいるアラム軍を出動させた。軍司令ショバクに率いられて、彼らはヘラムの地に着いた。それを知ったダビデもイスラエルの全軍を、ヨルダン渡河してヘラムの地へ向かわせた。
 両軍は激突した。アラム軍は敗走した。戦車兵700,騎兵40,000とショバク司令がイスラエルによって討たれた。
 「ハダドエゼルに隷属していた王たちは皆、イスラエルに敗北したことを認めて和を請い、イスラエルに隷属した。アラム人は恐れて、二度とアンモン人を支援しなかった。」(サム下10:19)

 ハダドエゼルはツォバの王、サム下8:3に登場します。ユーフラテスに勢力を回復しようとしたときダビデに討たれた、とあります。「ユーフラテスの向こう」とはかつての自分の所領であり、その地に住まっていたアラム人を動かすのは道理でありました。また、ハマトの王トイが折しも交戦中のハダドエゼルの軍勢がダビデに滅ぼされた、と聞いて、その安否(というよりも真偽)をダビデに訊ねています(サム下8:9-10)。
 そう考えると、サム下8とサム下10の間には若干の時間錯誤が発生しているように感じます。こんなあたりの重箱の隅を突くような矛盾の発見とそれについて自分なりの考察を加えるのが、歴史書を読む楽しみの一つであろう、と信じて疑いません。



 同窓会のチラシと三田会の準備していたら更新遅くなっちゃった……。mixiでのんびりCSIコミュ巡回しまくっていたのも敗因(!?)かなぁ。◆

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第0322日目 〈サムエル記下第9章:〈ダビデとメフィボシェト〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第9章です。

 サム下9:1-23〈ダビデとメフィボシェト〉
 ダビデは前王サウル亡きあともサウル王家へ忠を尽くさんとした、ヨナタンのゆえである。かつてサウル王家に仕えたツィバがダビデ王の前に召された。王はサウル家の生き残りの有るや無しやを訊ねた。ツィバはヨナタンの息子、両足の萎えたメフィボシェトがいる、と答えた。いまはロ・デバルに住むアミエルの子マキルの家に身を寄せている云々。
 やがてメフィボシェトがダビデの前に召された。ダビデはヨナタンの息子にいった、━━
 「恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように。」(サム下9:7)
 メフィボシェトは答えた、━━
 「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」(サム下9:8)
 ダビデはツィバを呼んで、これより後はメフィボシェトに仕え、彼のために生計を立てよ、と命じた。ツィバは承諾した。ツィバの家に住む15人の息子と20人の召使いもツィバと共に、メフィボシェトとその息子ミカに仕えた。
 ダビデ王と食卓を共にするのが常となったことと両足が不自由であるという理由から、メフィボシェトはロ・デバルからエルサレムへ住まいを移した。

 ダビデにまつわる最上の美談の一つであり、あんがい日本人のメンタルな部分に訴えかけてくるところあるのでは、と思う章です。
 王の前に召されたメフィボシェトは最初、サウル王家の生き残りゆえにダビデに処刑される、と思いこんでいたのではないでしょうか。何遍か読むにつけてその思いが強まっていったことであります。前政権の残党を一掃する━━これは王朝交代、政権交代が果たされて後、為政者に課せられてきた不変にして必須の〈ルール〉でありましょう。やや的外れかもしれませんが、これまでの世界史・日本史を繙けば一端の事実は認められるものと思うておる次第です。



 20世紀音楽のCDレヴューがやたらと人気なブログを持っています。この好評(ん?)に気をよくしたわけではないのですが、かつてメルマガ会社に提出して酷評を承けた「20世紀音楽なんて、怖くないっ!」なるタイトルのブログを新しく発進させようか、と企んでいるさんさんかです。ただ、青写真を描いてみても約200前後の作曲家・オムニバスCDを扱うことに、恐れをなして足踏みしている状態……。
 どうしようか、と悩みつつ、今日は『CSI:科学捜査班』S1最終話と『ブラザーズ&シスターズ』第3話を観る。そのあとで宮﨑あおい・宮﨑将・小出恵介他の『初恋』を観ました。
 ふむぅ……。◆

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第0321日目 〈サムエル記下第8章:〈ダビデの戦果〉&〈ダビデの重臣たち〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第8章です。

 サム下8:1-14〈ダビデの戦果〉
 イスラエルとユダの統一国家の王となったダビデは、周囲の敵対していた者たちへ戦いを挑んだ。
 ペリシテ人を討って彼らからメテグ・アンマ(腕尺の手綱イ。未詳)を奪った。
 モアブ人を残酷な形で討ち、隷属させて貢ぎ物をさせた。
 ツォバの王レホブの子ハダドエルとその援軍ダマスコのアラム人を討った。ツォバは現シリア南部に勢力を伸ばしたアラム人である(サム上14:47)。
 他、アンモン人、アマレク人、塩の谷にてエドム人を討った。
 戦いを挑んでダビデはことごとく勝った。
 敵からは多くの戦利品を得てエルサレムへ運んだ。また、ダマスコのアラム人とエドム人に対しては守備隊を置いた。

 モアブ人への仕打ちはどうにも解せません。
 かつてダビデは両親をモアブの王にあずけた過去があります。また、「ルツ記」までさかのぼれば、ルツを介してダビデとモアブ人が近しい関係にあることが思い出されます。そんなモアブ人になぜダビデは斯くも残酷な仕打ちをしたのか?
 語られなかった歴史の陰で両者の関係が悪化する出来事があったとしか考えられません。それはもしかすると、ダビデの両親が深く関与していたのかも、と想像するのは、あながち間違ってもいないと思います。

 サム下14:15-18〈ダビデの重臣たち〉
 ダビデの重臣たちの名前と役職は以下の通りである。
 1,ツェルヤの子ヨアブ:軍司令官
 2,アヒルドの子ヨシャフト:補佐官
 3,アヒトブの子ツァドク:祭司
 4,アビアタルの子アヒメレク:祭司
 5,セラヤ:書記官
 6,ヨヤタの子ベナヤ:クレタ人とペレティ人の監視官
 7,ダビデの息子たち:祭司

 クレタ人もペレティ人もペリシテ人とは近親関係にある民で、ペリシテ人の別称ともされております。
 アモス書9:7では主が、ペリシテ人をカフトルから(イスラエルの出エジプト同様に)連れ出した、という場面があります。カフトルとはクレタ地方を指し、即ちクレタ人・ペレティ人は地中海地方に祖を持つ民である、と考察されましょう。
 彼らはやがてダビデの近衛部隊を編成します。



 梁石日・三國連太郎をフューチャリングした『NHK知るを楽しむ 人生の歩き方』(日本放送出版協会)を手に入れ、会社近くのスタバで読む。目的は三國連太郎の方。この人の生き方、考え方は硬派だね。尊敬しております。映画『親鸞・白い道』を観たいです。◆

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第0320日目 〈サムエル記下第7章:〈ナタンの預言〉&〈ダビデ王の祈り〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第7章です。

 サム下7:1-17〈ナタンの預言〉
 ダビデはレバノン杉で造営された王宮に住んだ。が、神の箱は天幕のなかに安置されたままだった。王はこれを不安に思い、預言者ナタンに相談した。
 その夜、主がナタンに臨んだ。わたしの僕ダビデにこう告げよ、と主はいった。出エジプトから今日に至るまで、わたしはずっと天幕、即ち幕屋を住処としてきた、と。その間イスラエルの誰彼に、わたしのためにレバノン杉の家を建てよ、と命じたことがあっただろうか、と。
 続けて主はこういった、━━
 「あなたがどこにいようとも、わたしは共にいて、あなたの行く手から敵をことごとくたち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。(中略)主はあなたに告げる。主があなたのために家を興す。あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。この者がわたしの名のために家を建て、私は彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。」(サム下7:9,11-13)
 ナタンは主の言葉をダビデに伝えた。

 サム下7:18-29〈ダビデ王の祈り〉
 主の御前に進んでダビデは祈った。
 「主なる神よ、あなたは僕を認めてくださいました。御言葉のゆえに、御心のままに、このように大きな御業をことごとく行い、僕に知らせてくださいました。」(サム下7:20-21)
 この地上にイスラエルのような民はなく、エジプトやアンモン他のような異邦の民とその神々から贖ってくださいました、と。
 その皆がとこしえに唱えられ、あがめられますように、と。
 「主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は真実です。あなたは僕にこのような恵みの御言葉を賜りました。どうかいま、僕の家を祝福し、とこしえに御前に永らえさせてください。主なる神よ、あなたが御言葉を賜れば、その祝福によって僕の家はとこしえに祝福されます。」(サム下7:28-29)

 第7章は前半に主によるダビデ王家の安泰と王国の永続を約束し、後半に主が約束した安泰と永続に対するダビデ王の感謝の祈り、という構造を持ちます。
 このあたりの忠実と信仰が、サウルとダビデの決定的な差といえましょう。



 読書の面白さ、いい換えればフィクションの面白さを教えてくれたのは、偶然から手にしたSF小説(※)でした。やがてフィル・ディックとティプトリーJrに辿り着いて、これにとどめを刺されたのは、十代も終わりに近い頃。その後はSFから離れて、様々な小説を読み散らかしてきました。
 「人間の細胞は7年ですべて入れ替わる」とウィアード・テイルズ日本語版に掲載された誰だかのエッセイで知ったことですが、その伝でゆくなら自分はいま3倍の年数を経て、SF小説へ戻ってきた勘定になります。取っ掛かりはやはり偶然から古本屋で手にしたジェイムズ・ティプトリーJr。エルロイの犯罪小説を読む傍らで、本当にひっさしぶりに『愛はさだめ、さだめは死』(ハヤカワ文庫SF)を読んでいます。
 ああ、これ。この感覚。言語に尽くしがたいこの感覚。フランス語でしかいえないこの感覚……じゃぁないけれど、……なんだかふるさとに戻ってきたような、妙ちくりんな感覚。かといってハードなSFに馴染めるかというと、これはどうやら脳みその出来がどうにもよろしくないようで、……いやはやなんとも、な幕引きの言葉でありました。◆

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第0319日目 〈サムエル記下第6章:〈神の箱をエルサレムへ運び上げる〉〉  [サムエル記・下]

 サムエル記下第6章です。

 サム下6:1-23〈神の箱をエルサレムへ運び上げる〉
 ペリシテ軍との戦いの後、ダビデは30,000の精鋭を率いて、バアレ・ユダからキルヤト・エアリム近郊へ移動した。丘の上に安置されている神の箱、契約の箱をエルサレムへ運びあげるためである。丘の上のアビナダブの家から、アビナダブの息子ウザとアフヨがそれに同道した(既にエルアザルは没したか。 サム上7:1)。
 喜びの道程はナコンの打ち場で一転した。神の箱を載せた荷台を運ぶ牛がよろめき、とっさの判断でウザが神の箱を押さえたのである。主の怒りがウザに降った。その過失ゆえに━━レビ16:2と民4:15で規定された、資格なき者は神の箱に触れるなかれ触れれば死ぬ、という条に背いたからである。その地はペレツ・ウザ(ウザを砕く)と呼ばれて今日まである。
 ダビデは主に怒り、主を恐れた。神の箱をエルサレムへ運びあげることをやめた。そこで、ガト人オベド・エドムの家に3ヶ月安置された。主は彼と彼の家を祝福した。ダビデはそれを知るとオベド・エドムの家に行って、これを喜び祝い、神の箱をエルサレムへ運びあげることにした。
 民は喜び、楽を奏して祝った。ダビデはエフォドのみを纏って主の御前で跳ね踊った。それを見たサウルの娘ミカルは王を蔑んだ。
 天幕のなかに神の箱を安置して、焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげると、民はそれぞれの家に帰り、ダビデも自分の家の者を祝福するために帰った。
 ミカルはいった、「今日のイスラエル王は御立派でした。家臣のはしためたちの前で裸になられたのですから。」(サム下6:20)
 ダビデは首肯して、いった、「(主は他の誰でもなく)このわたしを選んで、主の民イスラエルの指導者として立ててくださった主の御前で、その主の御前でわたしは踊ったのだ。わたしはもっと卑しめられ、自分の目にも低い者となろう。しかし、お前の言うはしためたちからは、敬われるだろう。」(サム下6:21-22)
 生涯、ダビデ王妃ミカルは王の子を懐妊することはなかった。

 神の箱、契約の箱はあれから20年以上もキルヤト・エアリム近郊の丘の上にあるアビナダブの家に置かれていました。
 まだサムエルがイスラエルを指導し、サウル王も歴史の表舞台に現れていない時代から、北王国イスラエルと南王国ユダがダビデ王の下に統一される時代に至るまで、神の箱はそこで静かに置かれていたのでした。それがいよいよエルサレムへ移される、という場面を描いたのが、本章です。
 また、後半で明らかになるように、ダビデ王とミカルの仲は冷え切っているのがわかります。この時点でミカルは、王妃でありながら王妃にあらざる者、妻ではあるが母ではない、ダビデによって王妃の職務を十全には果たし得ぬ存在になってしまった、といえるでしょう。哀れであります。



 『フレフレ少女』(2008日 監督;渡辺謙作 脚本;橋本裕志[原作;よしづきくみち] 出演;新垣結衣、永山絢斗他)を観ました(テレビ朝日 21:00-22:54)。
 予告だけでもうじゅうぶん観たつもりになっていた一本、こうしてちゃんと観てよかったと思った一本。むろんメッセージだってあるけれど、いやぁ、理屈抜きで楽しめる映画はいいもんだね。キャスト・スタッフ共にみんな良い仕事をしております。ちなみに先日レンタル店で借りるか否かで悩んだ一本。
 ついでにいうと、昼間は借りてきた『ミス・ポター』Miss Potter(2006英 監督;クリス・ヌーナン 脚本;リチャード・モルトビー・Jr 出演;レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー他)を観ておりました。美しく、手堅い質の良さでは折り紙付きの一作。湖水地方の光景に思わず懐かしさを覚えました。またピーター・ラビット読もうかな。◆

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第0318日目 〈サムエル記下第5章:〈ダビデ、イスラエルとユダの王となる〉、〈ダビデの町エルサレム〉他〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第5章です。

 サム下5:1-5〈ダビデ、イスラエルとユダの王となる〉
 サム下3:17-19に於いて故アブネルが行っていた根回し━━イスラエルがイシュ・ボシェトから離れてダビデ側へ付くよう尽力していた根回し━━は、ここに至ってようやく形を結んだ。
 つまり、イスラエルの全部族と長老たちがヘブロンへ上り、ダビデの配下に降ったのである。「ダビデ王はヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。」(サム下5:3)
 ダビデの御代は40年続き、内7年半ユダを、残る33年はユダとイスラエルを治めた。

 サム下5:6-12〈ダビデの町エルサレム〉
 ダビデはエルサレムを攻めた。住民エブス人はこれを侮った(註1)。そこでダビデは町の水汲み用トンネルから侵入して、この要害を陥落させた。
 シオンの要害、即ちエルサレムはダビデの町となり、ミロ(註2)から町の内部にまで城壁がめぐらされた。
 また、ティルスのヒラム王はイスラエルとユダの王ダビデにレバノン杉などの建材を献上した。それらはダビデの王宮建設のために使用された。
 ダビデの勢力はいや増しに増した。万軍の神、主が共にいたからである。
 「ダビデは、主が彼をイスラエルの王として揺るぎないものとされ、主の民イスラエルのために彼の王権を高めてくださったことを悟った。」(サム下5:12)

 サム下5:13-16〈エルサレムで生まれたダビデの子供〉
 エルサレムへ移って後、ダビデは新たに妻を娶った。これとは別に側女も置いた。ここで生まれたダビデの息子、娘は(当該箇所に拠れば)11人であった。
 そのなかにソロモンがいた。ソロモンはダビデとかつてその部下であったウリヤの妻バト・シェバの間に生まれた子供である(参照 サム下11,12:24-25)。

 さんさんかの独り言)ソロモン……やっぱりあだ名は「金平糖」?

 サム下5:17-25〈ダビデ、ペリシテ人を破る〉
 ペリシテ人はイスラエルの旧敵である。ダビデのイスラエル王即位を知ると、彼らは攻め上ってきた。
 ペリシテ軍はエルサレムの南西レファイムの平野に陣を置いたが、主の託宣によって攻撃を仕掛けてきたイスラエルの前に敗走した。その地はバアル・ペラツィム(破れ目の主(あるじ))を呼ばれる。
 ペリシテ人は再びイスラエルを攻めた。主の託宣に従ってダビデは背後からペリシテを攻めて、倒した。ゲバからゲゼルに至る地域のペリシテ人は皆討ち滅ぼされた。

 註1)旧約聖書本文では、“盲目の者、足萎えの者でもダビデをエルサレムから追い払うことができる”とエブス人がいった(サム下5:6)、とあり、呼応するように“エルサレム侵入後は盲目の者、足萎えの者を討って滅ぼせ”(サム下5:8)とダビデが命じた、とある。それに起因してか後世に、「目や足の不自由な者は神殿に入ってはならない、と言われるようになった。」(サム下5:8)とされる。
 これが新約聖書の時代になると、イエスは神殿内で盲目の者、足萎えの者を治療した、という記述が登場する(マタ21:14)。サム下5:8の制度は新約の時代も継続されていたということなので、イエスはそれへの批判も併せて斯く治療していたのかもしれない。
 追記すれば、盲目の者、足萎えの者は神殿での奉職、祭司への就任は御法度である、とレビ21:18で規定されている。
 ちなみに後ほど登場するサウル王家の生き残りには、足の不自由な方が居られます。この人はサム下後半でスポットを浴びます。

 註2)当時のエルサレムと現在のエルサレムでは位置が異なる。当時のエルサレムは段丘状の地に在り、町のいちばん外郭の擁壁を「ミロ」と呼んだ。日本風に考えるなら、城郭の二の丸、三の丸の石垣を想像すればいいのではないか。

 ここからいわゆる統一王朝━━ダビデという同じ君主を戴く北王国イスラエルと南王国ユダの連合国家の時代が始まります。



 予定よりも遅い時間に更新しました。宮﨑あおい&イ・ジュンギ主演の『初雪の恋 ヴァージン・スノー』(2007  日韓)を観ていました。以前レンタル店で借りた際は「ツマランものを借りちまったぜ」と愚痴りつつ流していたのを、いまではすっかり反省。
 なんだろう、このほこほこした感情は? 超上から目線で送る映画のなかの二人へのエールは? っつうか、この激変ぶりはなんだ、俺?
 心境の変化、では決してない。じゃあ、なんだ? うーむ、身辺になんら変化はないのだが……おぐゆーさんと再会したわけでもないし(むふぁっ!!)。
 まぁ、「宮﨑あおいは突然姿を消す役が似合う女優だ」という発見、「イ・ジュンギいい男だな」とちょっと見解に変化が生じたのが、収穫かな。
 あー、初雪デートしてー(願望&妄想MAX!!!!!!)。◆

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第0317日目 〈サムエル記下第4章:〈イシュ・ボシェトの死〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第4章です。

 サム下4:1-12〈イシュ・ボシェトの死〉
 「アブネルがヘブロンで殺されたと聞いて、サウルの息子イシュ・ボシェトは力を落とし、全イスラエルはおびえた。」(サム下4:1)
 そのイシュ・ボシェト王の配下にバアナとレカブという者がいた。略奪隊の長で、ベニヤミン領/族のべエロトの町(註)出身のリモンの息子たちである。彼らは或る日の日中、自分の寝所で休んでいた王を殺めて斬首し、ユダのダビデの許に走った。
 彼らはイシュ・ボシェトの首を差し出して、いった。「王の敵サウルの息子イシュ・ボシェトの首です。主は、主君、王のために、サウルとその子孫に報復されました。」(サム下4:8)
 ダビデはいった、かつてサウル前王の死を虚偽して報告した者は、その偽りと不忠のために処刑された、と。続けて、━━
 「まして、自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか。お前たちを地上から除き去らずにいられようか。」(サム下4:11)
 斯くしてバアナとレカブは処刑された。持参されたイスラエル王イシュ・ボシェトの首はヘブロンへ運ばれ、アブネルの墓に埋められた。

 註)ベエロトはかつてギブオン人の町でした。ヨシュア率いるイスラエルの力を伝え聞いていたので、偽ってこれと講和を結んだのでした。その過程でベエロトもギブオンやキルヤト・エアリム同様イスラエルに編入されたのでしょう。参照:ヨシュ9:17

 サム下に於いて、ダビデ王に取り入ろうとしたサウル側の人間はことごとくダビデの命で処刑されてきました。主の前にあっては敬虔で、民には公正、主とサウルに対してはどこまでも忠義を尽くしていたダビデ王ならではの対応だと思います。



 某所ブックオフにて日本人作家の単行本500円均一セールあり。昨日まで悩んでそのたび諦めていた丸山健二『日と月と刀』(文藝春秋)と『百と八つの流れ星』(岩波書店)をカゴへ入れる。以前から欲しかった蝶々の『こんな女でごめんあそばせ』(マガジンハウス)が105円コーナーにあったので、これも迷わず購入。「清水の舞台から飛び降りるのじゃっ!!」と心のなかで叫びつつ━━。熊楠流にいうなら「討ち死にじゃぁっ!」か?
 で、ね。これまでもつらつら思ってきたことを告白します。『こんな女でごめんあそばせ』の帯や扉にある著者の写真を矯(た)めつ眇(すがめ)めつしたあと、しかと確認し、深く確信しました。……蝶々とおぐゆーさんは極めて容(かんばせ)が似ておられます。美人で綺麗なんです。ん、小悪魔? そうかも。ホント、この二人、実は姉妹なんじゃないか?◆

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第0316日目 〈サムエル記下第3章3/3:〈アブネル、暗殺される〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第3章3/3です。

 サム下3:21 2/2 - 39〈アブネル、暗殺される〉
 アブネルは平和のうちにヘブロンを発ってイスラエルに戻った。入れ違いでヨアブが多くの戦利品を携えてヘブロンへ帰還した。
 不在の間にアブネルが来てそのまま発ったと聞くと、ヨアブは「あの男がここへ来たのは王の、ユダの動静を探るためだ」と信じ、使いを出してアブネルを呼び戻し、城門の内側でこのイスラエル軍の司令官を殺した。
 ダビデはアブネル暗殺を知ると、私と私の王国は永久(とこしえ)に潔白である、としてヨアブとその家を呪った。「(ネルの子アブネルの)血はヨアブの頭に、ヨアブの父の家全体に降りかかるように。」(サム下3:29)
 アブネルの遺体はヘブロンに葬られ、王も兵士も皆泣き悲しんだ。王は日没まで断食した。それを含めて王の行いはすべて、兵や民には良いものとして映った。
 「すべての兵士、そして全イスラエルはその日、ネルの子アブネルが殺されたのは王の意図によるものではなかったことを認めた。王は家臣に言った。『今日、イスラエルの偉大な将軍が倒れたということをお前たちは悟らねばならない。わたしは油を注がれた王であるとはいえ、今は無力である。あの者ども、ツェルヤの息子たちはわたしの手に余る。悪をなす者には主御自身がその悪に報いられるように』」(サム下3:37-39)

 ツェルヤの息子ヨアブ(と弟アビシャイ)が、呼び戻してまでアブネルを暗殺した理由は、サム下2:18,23-24にありました。つまり、ギブオンの戦闘の最中にアブネルの手で弟アサエルが殺されたことが動機です。
 「だがアサエルは頑として離れなかった。アブネルは槍の石突きでアサエルの下腹を突いた。槍は背中まで突き抜け、アサエルは倒れ、その場で死んだ。アサエルが倒れて死んでいる所まで来た者は皆、立ち止まったが、ヨアブとアビシャイはアブネルを追い続けた。」(サム下2:23-24)
 ここは当該箇所で触れなかったので、舞い戻って読まれることをお奨めします。



 フォルカー・シェルリース著『アルバン・ベルク━━生涯と作品━━』(岩下眞好・宮川尚理訳 泰流社)を読む。望む、この書物の復刊を! 単独のベルク伝でこれ以上の質と内容を供えたものもないでしょうから、是非。あとはDGの『アルバン・ベルク全集』別冊解説ぐらいですからねぇ。
 『レコード芸術』今月号の音楽之友社刊行予告に『カルロス・クライバー伝』上巻の書名がっ!! 2009年音楽書出版に於ける最強の慶事!! もう亡くなって5年になるんですね、未だに信じられません。
 それにつけても思うのは、あの最後の来日公演(1994年10月)。相当な無理をしてでも出掛けてよかった! 演目は、なんといっても《ばらの騎士》でしたから……さんさんかにとっても最愛かつ偏愛きわまるオペラでありまして……あれを観に行けたのはしあわせだった……。◆

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第0315日目 〈サムエル記下第3章2/3:〈ヘブロンで生まれたダビデの息子〉&〈アブネル、ダビデの側につく〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第3章2/3です。

 サム下3:2-5〈ヘブロンで生まれたダビデの息子〉
 ヘブロン生まれのダビデの子供たちは全部で6人。名前と母は以下の通りである。
 長男:アムノン(イズレエル人アヒノアム)
 次男:キルアブ(カルメル人アナルの妻アビガイル 参照;サム上25)
 三男:アブサロム(ゲシュル王タルマイの娘マアカ)
 四男:アドニヤ(ハギト)
 五男:シェファトヤ(アビタル)
 六男:イトレアム(ダビデの妻エグラ)

 ダビデの息子として有名なソロモンはまだこの当時生まれていません。

 サム下3:6-21 1/2〈アブネル、ダビデの側につく〉
 北王国イスラエル、サウル王家の実権は軍司令アブネルが握っていた。或るとき、2代目王イシュ・ボシェトとアブネルが対立したとき、アブネルは怒って、こういった、━━
 「私は王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる。」(サム下3:9-10)
 アブネルの言葉は使者によってイスラエルの長老たちに届けられ、また、ベニヤミン族とは直接対話して、全イスラエルがダビデ側につく準備を進めた。
 アブネルは、ダビデからの条件━━イスラエルへ残してきた妻ミカル(サム上18-19)を連れてくることを呑み、20人の部下を伴って南王国ユダの王ダビデの軍門に降った。
 ヘブロンでの歓迎の酒宴の席で、アブネルはダビデにいった。
 「私は立って行き、全イスラエルを主君である王のもとに集めましょう。彼らがあなたと契約を結べば、あなたはお望みのままに治めることができます。」(サム下3:21)

 斯くして北王国イスラエルのサウル王家は瓦解を始め、主の言葉どおりに王権の交代が間近に迫ります。



 ようやく古本屋で桜庭一樹の読書日記『書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』(東京創元社)を発見。むかし愛読してうっかり手放してしまったジェイムズ・ティプトリーJr『たったひとつの冴えたやりかた』(ハヤカワ文庫SF)と共に、即効で購入━━そのあと酒場に籠もり、ぱらぱら目を通していました。
 直木賞受賞の時期にかかっていただけに、前作(『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ』)よりも著者の日常はさすがにアグレッシヴ。ああ、これだけ大きな賞をもらうと、こうも身辺はかまびすしくなるのか、と妄想を交えて我が未来をシミュレーションする。……ごめんなさい。ちょっと言ってみたかっただけです。許してクレヨン。
 それにしても最近の直木賞受賞者には、エッセイも小説も上手な人たちが揃っている(好き嫌いは別次元の話)。羨ましいし、尊敬できる。この人たちが吸収している文化や時代の空気を同時進行で共有し、かつ彼らの新作を常にリアルタイムで追っかけられるからかもしれない、とちょっと難しいことを考えてみる『崖の上のポニョ』を観たあとのおいら。
 その観点から一筆啓上させていただくと、一昔前の人たち(直木賞受賞者)は……済みません、おいらは一様に苦手です。んー、まぁ仕方ないよね。
 芥川賞受賞者? 綿矢りさ以降とんと気になりません。消えてゆく作家の方が多いしね。それにこの人たちの本、1年後にはブックオフで105円コーナーに並ぶし。読む気になれぬ小説ばかりでつまらない、というのが本音です。えへ。◆

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第0314日目 〈サムエル記下第2章&第3章1/3:〈ダビデ、ユダの王となる〉&〈イスラエルとユダの戦い〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第2章及び第3章1/3です。

 サム下2:1-7〈ダビデ、ユダの王となる〉
 ダビデは主に託宣を求めて、妻と兵とその家族を連れて、ユダの町ヘブロンへ上った。ユダの人々はヘブロンの町へやって来て、ダビデに油を注いだ。
 ダビデはユダの家の王となった。
 サウルの遺体を葬ったギレアドのヤベシュ(ヤベシュ・ギレアド)の人々に使者を送り、サウル王の埋葬を感謝した。「力を奮い起こし、勇敢な者となってください。」(サム下2:6)
 併せてダビデは使者を通じてヤベシュの人々にいった。私はユダの家の人々に油を注がれて、王となりました、と。が、ヤベシュの人々はダビデを積極的に支持はできなかった。

 サム下2:8-32&3:1〈イスラエルとユダの戦い〉
 ヤベシュの人々がダビデを積極的に支持できなかったのは、既にイスラエルに新たな王が即位していたからであった。サウル軍の司令官アブネルはサウルの息子イシュ・ボシュトを擁立し、前王を継ぐ第2代のイスラエル王とした。
 アブネルは王の家臣と共にマナハイムからヨルダン川を渡河して東へ進み、ギブオンへ進んだ。ダビデの家臣もツェルヤの子ヨアブと共にギブオンへ進んでいた。両軍はその地で会った。ギブオンはベニヤミン族の領内にあってサウルの生地ギブアの北西にある古代都市である。
 初めは競技として始まったが、いつしか互いに打ち合い、追撃して戦となった。アブネルはヨアブに呼びかけた。
 「いつまで剣の餌食とし合うのか。悲惨な結末になることを知らぬわけではあるまい。いつになったら、兄弟を追うのはやめよ、と兵士に命じるのか。」(サム下2:26)
 ヨアブは諾い、両軍はそれぞれの地へ帰った。アブネルたちイスラエルはアラバの荒れ野を夜通し歩いてヨルダン川を渡り、マナハイムへ帰った。ヨアブたちユダも夜通し歩いてヘブロンへ帰った。
 これを契機にサウル王家は弱体化し、代わってダビデ王家が次第に台頭する(サム下3:1)。



 恒例、南蛮屋にて「パナマ~エスメラルダ・ゲイシャ」が今年も限定販売されます。35㎏のみの入荷、南蛮屋全30店舗で限定700個、50g1,150円……、うーむ、無類のコーヒー党としては悩みどころです。
 予約するならお早めに、っていわれたけれど、ねぇ……。去年も飲んで美味しかったからなぁ。今年も飲みたいけれど、なんだかお値段が上昇したような気が、するんですけれどね?◆

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第0313日目 〈サムエル記下第1章:〈ダビデ、サウルの死を知る〉&〈哀悼の歌「弓」〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第1章です。

 サム下1:1-16〈ダビデ、サウルの死を知る〉
 ダビデがアマレク人追討から帰還して3日目、ツィクラグの町に一人の男が服喪の装い(「衣服は裂け、頭に土をかぶっていた。」サム下1:2)をしてやって来た。
 男はギルボア山の戦場にいてイスラエル陣営から逃れてきたのだった。男はダビデにサウルとその息子たちの戦士を告げた。続けて男はこういった、━━
 「(ギルボア山にて王はわたしを呼び)『そばに来てとどめを刺してくれ。痙攣が起こったが死にきれない』と言われました。そこでおそばに行って、とどめを刺しました。倒れてしまわれ、もはや生き延びることはできまいと思ったからです。」(サム下1:9-10)
 それを聞いたダビデと彼と共にいた者は自分の衣を摑んで引き裂いて、哀悼の意を示した。それからその日の夕方まで断食した。初代イスラエル王サウルとその息子ヨナタンたち、そして命を墜とした主の民イスラエルの同胞を悼んでのことである。
 ところで、サウル戦死の報をもたらした男はアマレク人であった(よりによって!)。彼はイスラエルのなかに寄留するアマレク人であった。アマレク人追討から戻ったばかりのダビデは、男にいった、━━
 「主が油を注がれた方を、恐れもせず手にかけ、殺害するとは何事か。」(サム下1:14)
 ダビデは従者にこのアマレク人を打ち殺させた。ダビデはいった、━━
 「お前の流した血はお前の頭(かしら)に返る。お前自身の口が、『わたしは主が油を注がれた方を殺した』と証言したのだから。」(サム下1:16)

 ギルボア山から逃れてきたアマレク人の男は、忌憚なくいって愚鈍の者、愚か者でした。得られると算段した報酬のため、サウル戦死の場面を脚色してダビデに報告したのです。
 主が油を注いだ者は神聖にして犯すべからざる、我が国風にいうなら現人神に等しい存在。ゆえに何人(なんぴと)たりともこれを殺めることは許されない。それができるのは主のみである。
 この絶対原則を犯したアマレク人に死が宣告されたのは当然のことでありました。と同時に、ダビデにサウル殺害や謀反の意志が全くなかったことも、本章ではっきり読者に告げられたのであります。


 サム下1:17-27〈哀悼の歌「弓」〉
 「ダビデはサウルとその子ヨナタンを悼む歌を詠み、『弓』と題して、ユダの人々に教えるよう命じた。この詩は『ヤシャルの書』に収められている。」(サム下1:17-18)

  哀歌《弓》
 ~ (前略)
  ギルボアの山々よ、いけにえを求めた野よ
  お前たちの上には露も結ぶな、雨も降るな。
  勇姿らの盾がそこに見捨てられ、
  サウルの盾が油も塗られずに見捨てられている。(サム下1:21)
  (中略)
  サウルとヨナタン、愛され喜ばれた二人
  鷲よりも速く、獅子よりも雄々しかった。
  命ある時も死に臨んでも
    二人が離れることはなかった。(サム下1:23)
   (中略)
  ヨナタンはイスラエルの高い丘で刺し殺された。
  あなたを思ってわたしは悲しむ
  兄弟ヨナタンよ、まことの喜び
  女の愛にまさる驚くべきあなたの愛を。(サム下1:25-26)
   (後略) ~

 ここにサウルの治世は終わり、まず南王国ユダの王としてのダビデの治世が始まる。

 『ヤシャルの書』はヨシュ10:13に既出の書物。古代イスラエルの詩歌集で、聖書編纂の典拠の一つと考えられています。
 ヨナタンは父に反逆したと烙印を押されたダビデを深く愛し、彼に従う姿勢さえ見せました(サム上23:17)。その一方で、王に背くことなく最後の最後まで父サウルに忠誠を尽くした武人。まこと、男としてあっぱれな人物であった、とさんさんかは思うのであります。



 母校敗退っ! うーん、残念。でも良くやった。
 あなた方らしい、明るい野球を堪能させてもらいました。その笑顔を忘れないで!◆

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第0312日目 〈「サムエル記下」前夜〉 [サムエル記・下]

 進め。満身創痍であろうと胸を張って、高らかに英雄のごとく凱旋せよ。

 ギルボア山でのサウル王とヨナタン戦死を以て幕を閉じたサムエル記上。明日からの「サムエル記下」はまさにその直後から物語が開幕します。
 ダビデは彼らの死を嘆き、ヘブロンにてユダの王となり、サウルの軍司令アブネルの働きかけも手伝って遂にイスラエル王へ即位します。斯くして統一王国の時代が到来します。
 が、ダビデ王の身辺は常にキナ臭い匂いが立ちこめ、国家運営の前途は多難の要素を孕んでいます。やがてソロモンが誕生し、アブサロムの反逆が描かれ、合戦の後に人口調査が行われて「サムエル記下」は幕を閉じます。
 いってみれば「サムエル記下」は統一王国が如何にして運営され、その過程でダビデ王がどう変貌してゆくか、にスポットを当てられた書物。これは人間ドラマとしてとても面白い書物でもあります。
 そんな「サムエル記下」の読書ノートを、明日から更新してゆきます。

 進め、死臭が漂い亡者のうめきが聞こえる戦場を。積み重ねられた屍を乗り越えた先にある栄光を目指して。
 
 With such confusions don't it make you wanna scream,
 Your bash abusin' victimize within the scheme.
 (from M.J&J.J“Scream”)



 キング&ストラウブ『ブラック・ハウス』(新潮文庫)をようやっと読了。事情あってなかなか毎日読むこと叶わずいまになってしまったが、久々に楽しい気分で物語の世界に浸れました。◎デス。◆

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